農暦閏四月廿七日。今日は休むと決めてゐたので首相みたいに「公邸で書類整理」。昼すぎ雨のなかZ嬢と尖沙咀。ペニンスラホテルのGaddi's に飰す。前菜はカルパッチョと海鮮のアスパラガスソース添へをシェア、兎の腿肉のソテにデザートの三品で二時間四十五分。料理は量も少なめで確かにデザートは最初にチーズ盛り合わせで、それからアルフォンゾマンゴーのパイをシェアしたのでゆっくりだつたがGaddi's を出たら午後四時だつた。白はMâcon-Charnay Le Clos de St Pierreをグラスで、赤はDomaine Faiveley Gevrey Chambertin 1er Cru 03年とブルゴーニュなお昼。雨のなか尖沙咀に開店したといふ(もうだいぶ前なのかも知れないが)リーガル靴店。東京のポイントカードは使へないかね、なんて話してたら、それ以前にかなりカジュアルな靴ばかり。アタシもチャーチの靴でも履ければいゝのだが典型的な日本人の平たく幅ばかりある足で欧州の靴は帽子と同じで全く合はぬ。一旦帰宅して小一時間仮眠。晩に尖沙咀に戻り文化中心。昨晩に続き蘇州崑劇院で今晩は「長生殿」*1通し。「長生殿」といふと、金澤の森八の和菓子、楊貴妃が出てくる話といふと落語の「野ざらし」だが、これは中国劇。昨晩の総監督が白先勇なら今晩の芸術監督は蔡正仁で指導が張靜嫻。この大御所二人の舞台は昨年、上海崑劇団で見たが今年は沈豐英が楊貴妃演じる「長生殿」。沈豐英の前腔が実に美しく、それを聴きに来たのだが唐明皇(玄宗皇)役の周雪峰なる若手が、この香港公演に抜擢されるのだから実力あるわけだが、この芝居で唐明皇の歌がまぁ音域も広ければ難曲多く、それを見事にこなして大したもの。さすがに唐明皇の風格はまだ/\だがこれから期待できるはず。