富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-03-18

農暦二月廿六日。濃霧続きが久々に快晴。気温摂氏廿七度迄上り湿度下り心地好し。朝10kmほどヴィクトリアハーバー沿ひにジョギング。体重が5kg軽いといふのは本当に樂で坂も上れるし速度上げ足りたり下げたり面白く6min/kmはアタシにとつては超高速。走り終はつて香港空港の到着予定をネットで見たら長野・小太郎さんのソウルからのフライトが25分も早く到着で慌てゝZ嬢と空港へ。「暑い〜っ」と長野→ソウルとまだ寒いところから来られた香港は初の小太郎氏は冬でも汗かきだが大汗。一月末に長野で飯岡高原の「ふじおか」に連れて行つていたゞいて以来。3時間後には羽田行きのフライトなのであまり時間がない。「炒飯」が今回の小太郎さんの目的で市街往復の時間もなく空港では味気なく、で東涌は馬湾涌の舊村へ……のつもりが空港でランタオ島タクシー長蛇の列で路線バスで東涌、バス乗り継ぎ逸東邨の公共団地へ。こゝまで来れば馬湾涌はすぐ。鄙びた舊村の中をば通り抜け橋を渡り華都海鮮酒家。先ずは麦酒。冷たい麦酒が美味い。いくつか地場の粤菜ご賞味いたゞき楊州炒飯。長野土産で長野電鉄2000系D編成の小銭入れ頂く。小太郎さんにSCMPの競馬新聞お渡しして即興で今日の香港ダービー予想してもらふ。1番のフェイフェイはサイズ厩舎でホワイト騎手で10倍。アタシはチャドウィック君にダービー勝たせたくブリッシュチャンピョンを応援馬券。逸東邨からタクシーで空港戻り。座席だけ確保してをいて空港で航空券購入ってのをアタシは初めて見た。かういふものなのですね。搭乗までアト15分で小太郎さんお見送り。空港バスで北角に戻り街市で食材購ふ。春菊がもう終はりと思つてゐたら馴染みの八百屋で新鮮な春菊あり今晩は暑いけど窓全開で湯豆腐、と決まり。昨日食べた芥蘭は夏前のまだ若くて柔らかい、これもまた美味かつた。馴染みの果物屋の主人が競馬好きで丁度、香港ダービーの中継。フェイフェイが制覇(最終は4.7倍)。小太郎さん香港初競馬で見事的中。ブリッシュラックはチャドウィック君にありがち、でレース引っ張って最後は埋没。サイズ騎手は初の!ダービー制覇。帰宅。快楽亭ブラック師匠の「立川談志の正体」(彩流社)読了。サブタイトルの通り本当に「愛憎相克的落語家師弟論」なのだ。名著。本当に読んでゐて笑つてしまふこと屡々。小太郎さんが長野でブラック師匠と川柳師匠の二人会があつて……と話されてゐたが、この本は家元の死去から四日目、その長野に向かふ二人が上野駅で待ち合せ「死にましたね」から始まるから。噺家の書いた本なので内容語つてしまふと詰まらなくなるから、こゝまで。で晩に春菊澤山の湯豆腐。NHKの録画で「ぶらタモリ」の新宿編、NHKスペシャルで今晩放映の「東京大空襲〜583枚の未公開写真」見る。あの空襲のなかに曾祖母、祖母、母がゐた。梅沢淳「毎日乗っている地下鉄の謎」(平凡社新書)読む。タイトルのわりには地下鉄の謎より緻密なデータ集であり経営効率の分析など専門書の域。著者は鉄道ライターでは著名な人、元々銀行員といふ素地がこの本で発揮された感あり。鉄オタでもデータに基づく分析にはちょっと着いていけず専門家には既成の事実で内容は入門書的で中途半端かも。
▼今日の朝日の読書欄。チョートク先生の「屋根裏プラハ」が紹介され(石川直樹)、もう一人の著者も先方はもう記憶の彼方だらうがお知り合ひ、で知己のH記者も書いてゐて何だか親しく思へてならず。

立川談志の正体―愛憎相克的落語家師弟論

立川談志の正体―愛憎相克的落語家師弟論

毎日乗っている地下鉄の謎 (平凡社新書)

毎日乗っている地下鉄の謎 (平凡社新書)