富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Marc-André Hamelin in Recital

fookpaktsuen2012-03-07

農暦二月十五日。湾仔の公立病院で定期検診。こゝ数ヶ月で数キロ激痩なんですが、と医師に告げると年齢的に太るか痩せるか、が極端に出る年頃だし暴飲暴食せず食事に気をつかへば痩せるに決まつてゐるし血糖降下薬服用してをり血糖が減少すれば身体の新陳代謝も変はりカロリーの摂取量が増えてゐなければ痩せるのも必然、と医師。ある一定のところで体重減少は止まるから、これでこれ以上痩せるとは期待しないようにね、と忠告つき。また数週間後に血糖値の検査で今日は一ヶ月分の血圧と血糖降下薬いたゞく。本当にこれがHK$45で血糖値や血液検査が毎回無料なのだから。FCCのラウンジで昼まで書類整理。昼から一つ大きな打合せ済ませ早晩にまたFCCシャルドネ一杯だけ。マシュルームをオリーブ油と赤唐辛子で合えただけのパスタ少量。これで夕食なら、そりゃ痩せる。尖沙咀。文化中心。Z嬢と待ち合せMarc-André Hamelin(マルカンドレ=アムラン、こちら)のピアノリサイタル。香港では知名度低く文化中心の音楽庁はかなり空席目立つが、こんな現代を代表する超技巧派のピアノが聴けるとは。とにかくピアノといふ楽器はかういふ人のためにあるのね、と思はせる演奏。この人のピアノを聴いてしまふと申し訳ないが「女と東洋人にはピアノは弾けない」(ここでの女はアルゲリッチ刀自除く、だが)と痛感してしまふのが本音。ハイドンピアノソナタ第34番ホ短調。カールハインツ=シュトックハウゼン(1928年2007)のKlavierstück IXはアタシのやうな凡人には全くわからぬ現代曲。でラヴェルの夜のバスパール……は、これも、もう「全く違ふ世界が見える」。で中入り後はブラームスソナタ第3番ヘ短調。これもブラームスソナタの3番であることは確か、なのだが今までこんな技量の奏者でこの曲を聴いたことがないから。たゞアタシにはこのアムランさんのピアノを語る言葉なんてものが無い。