サラセンの夢

農暦二月四日。また雨が本降り。台北にはこの雨が似合ふ。午後イチのフライトで成田に向かふ母たちをホテルでお見送り。どこで誰が相手でも見送りは苦手。母の中学の同級生たちのこのご一行は台北で一日フリーでもオプショナルツアー頼まずMRTで自分たちで動くし大したもの（今回は一日フリーでマイクロバスチャーターするなんて「勿体ない！」と苦言したツアーガイドも立派だが）。ホテルの前は南京東路隔て康楽公園なるものあり。林森北路を越へフォルモサリージェントホテルまでこの公園広がるが（地下が巨大な駐車施設）林森北路の左側は昔は戦後さながらにバラックの並び外省人が多く住み旧国軍兵卒らが営む山東餃子屋など美味だつたこと思ひ出す。公園になつてしまひ、その記憶も消えてゆくのだらう。お見送り済み台北といへば、で誠品書店。カフェ。午後はさすがに郊外の温泉に行く時間なくサウナに一浴。この三日でやつぱり台湾つていゝなぁ、と独り感嘆。久々に旅が終はることの一抹の寂しさ感ず。昼前に母から携帯に電話あり母のツアーガイドが「今日はいつもの土曜より市街渋滞してゐるから息子さんに空港には早めに向かうやうに」とのこと。台北らしいお節介がいゝ。台北車站より國光のエアポートバスで桃園空港。ネットでチェックインまで済ませてゐたのに搭乗時間二時間も前に着いてしまひラウンジで綴り方。台式鹵肉飯が美味。B474で全機満坐。香港空港に到着してCXの空港事務所。一昨日、往路で荷造りの際に預けるつもりでアミーナイフや文具のカッターなど荷物にあつたがネットでチェックインの際に規定の大きさより小さい鞄なので持ち込もうと決めてナイフなどあるのすつかり忘れてゐた失態あり。優れもののアーミーナイフ、文具のカッターもOLFAの普通のカッターなら200円くらゐだが文具好きのアタシの場合はOLFAカッターでもボディが合金だかで800円だかするから自分の不覚に凹んだが「香港に住んでるのか？」と係官に尋ねられ「14日以内に戻るか？」と。さうだ、さうだと答へるとカウンターでさつさと書類作り香港に戻つたらCXの空港オフィスでお受け取りください、と。全くもつて機能的なところ。でナイフなど受け取り帰宅。台北のホテル出てから六時間。東京からとあまり変はらないのは台北がバスでの空港行きで時間が読めないから。実家に届いてゐて母がもつて来てくれたCDでダンスリーの「サラセンの夢」を聴く。

@fookpaktsuenhkg: 浅草から渋谷まで歩く、走る、といはれたら「えっ？」と思うが銀座線が14.3kmだといわれるとチョートク先生的には「散歩」程度の距離だろう。現代人は都市を広く考えすぎている。アタシの祖母だって四谷三光町から新宿柏木一丁目のお寺までは普通に歩く距離だつた由。

2012-02-26 00:25:04 via web

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