富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

葡萄酒バブルの崩壊

fookpaktsuen2012-01-17

農暦十二月廿五日。薄曇。湾仔の公立病院まで定期診断に往く。血圧は安定、血糖値も三ヶ月前から服薬で標準値まで下がつてゐるといはれるが何れにせよ薬のおかげで本来は規則正しい生活、バランスのとれた食事と適度な運動が求められるもの。ここ一、二ヶ月、顔が火照る、朝から赤ら顔といはれる、頭痛が失せぬと医師に告げると「薬の所為ですよ」と。血流が良くなりすぎて人によつては顔が赤くなつたり頭痛がしたり、と。薬を変へませう、と医師。ただ薬の所為とはいへ心臓の負担が大きいわけで、と今日は心電図もとることに。検尿までされたが糖尿でないのに安堵。かなりバタ/\と仕事続け晩に天后の寺田屋。曼谷Y氏来港でZ嬢と酒を飲み鼎談款語。大阪で梅田の駅周辺がだいぶ変はつた、といふ話になり昔は梅田なんて地味だつたのにねぇ……と。そりゃ曾根崎心中で船場から曾根崎あたりに逃げれば神社の森陰で、もうだいぶ人の目も気にせず心中まで出来たわけで東京だつて「本郷もかねやすまでは江戸のうち」で「直侍」で入谷がどれだけ郊外か。ところでアタシらはよく香港で「日式」を「日本料理」から区別するが後者が「日本人の板前のゐる正統的なもの」に対して前者は香港人が見よう見まねで日本料理を作つてゐるが日本料理で見たこともない奇妙なメニューがあつたり味付けがまつたくいゝ加減であつたり。とすると、この寺田屋など日本人は全くゐないが大将格の板前君はきちんと修行してゐるやうで真摯な仕事ぶり。日本の中華料理が勝手な進化を遂げ「日本の中華」で定着してゐるのに比べたら、この食肆などオーセンティックに日本料理屋。天后にはさうした日本料理屋が点在。晩八時までは多くのメニューが半額なのがお得で満席。
▼昨年、ケースでHK$167千だったLafiteが今年はHK$100千に。早くも葡萄酒バブル崩壊か。ただ2008年モノは八=發で縁起良く高値の由。それなら2004年モノは四=死で割安なのかしら。いづれにせよ葡萄酒が高値で投機対象となり高級酒の先物買ひまで始まり更に出来不出来でなく生産年でこんな漢字の縁起担ぎまで……呆れて言葉もなし。葡萄酒バブルの崩壊万歳。損益被つた愚者をたゞ嗤ふばかり。