農暦十二月廿一日。曇天。もう曜日感覚が何処には逝つてしまつてゐるが官邸も人影なく土曜。だうにか日に追われる仕事は済み書類整理に徹す。心の安らぎで旅行手配。帰宅してコロッケ揚げて飰す。風邪はだうにか快方に向かふ。
▼銀座の「くのや」今月末で閉業と湛君の日記で知る(こちら)。和装小物といへば、で祖母に連れられて、から。さすがに足袋誂へるやうな機会はなかつたが何年か前に風呂敷購はうと伺つたら二階だかの畳敷きに上がらされ番頭に何枚も風呂敷を広げて見せられたのも懐かしい。
▼台湾の総統選挙。80万票差(6%差)で国民党の馬英九が民主党祭英文女史を破り続任。親民党の宋楚瑜は38万票で得票率は3%に至らず。馬英九続投で台中関係維持で北京も安堵、と言はれるが二期目で英九は、台湾民主の父でありながら今回の選挙では復た晩節を汚せし李登輝を襲ひ「国父」的地位に食し動かすのでは?と思へてならず。すると緑色の支持も欲しく多少、中国とは距離を置き台湾色を強める気も……憶測だが。政権を託さうと選べる二大政党があるのが羨ましい台湾。日本で民主党か自民党か、と問はれゝばアタシは白票だ。
▼今張るの卒業式で君が代起立斉唱、大阪府教育長が職務命令。祭〜だ、祭だ祭だ、歌へ、歌へっ〜!東京から大阪へ、そして全国へ!一大ファッショの始まり、始まり。ロシアのプーチンの如く府政は子分に任せ大阪城の本丸=市役所に乗り込んだ橋下は君が代起立条例を市議会に提案は来月。橋下だと、どうも「君が代は千代に八千代に」の君が橋下本人と映つてならず。元文部官僚で出雲の前市長の西尾某が朝日のインタビュー「誰のための教育委員会」で指摘するは教育行政を担ふ教育委員会から起死回生のアイデア出てこぬことへの不満、文科省官僚は有能でも(自画自賛……)実際の学校現場知らぬから改革に動かず(言ひ訳にもならず……)、この膠着状態では主張が教育改革をしようといふ意欲で橋下に期待、と。選挙民が支持し本来、橋下に嗤はれてゐる官僚も支持……これでは、まうお終ひ、の「アッケラカンのカー」。お終ひ。そんな末期的症状で池澤夏樹氏が「物語の喪失」と題し興味深いことを書かれてゐる。(朝日、11日)
村上春樹がすごいのは物語がなくなった先の物語を構築したことだ*1。「やれやれ」の退屈な日々に外からゲーム的な異化のエージェントを放り込む。課題の提示とその先に広がる冒険。そこそこに収まるクエストのストーリー。『羊をめぐる冒険』はまだ革命の物語を秘めていたから読めたが、その先でぼくは彼のよき読者ではなくなった。古典の教養という自分の中の恐竜が邪魔をしたのかもしれない。しかし今になって思えば彼は正しかった。
として「革命幻想を失っても人は何かしなければ明日を迎えられない」から、それが(馬鹿/\しい話だが)ゲームや少年ジャンプ、または神話の構造を援用したプレイできる哲学に向かふ、とする。
物語を得ようと思えば現実に回帰しない、つまり文学ではない仮想の世界に入るしかない、と彼らは考えた。それがゲームなのだろう。
として文学では舞城王太郎なる作家の「好き好き大好き超愛してる。」を挙げ、思想では宇野常寛の『リトル・ピープルの時代』や古市憲寿の『絶望の国の幸福な若者たち』なのだ。夏樹さんは「どちらもぼくの中で曖昧だったものを整理してくれる好著である。正に快刀乱麻。きみたちは頭がいいなあ。」と。本当に八十年代にも新人類とかスキゾキッズとかゐたが、古市憲寿など本当にしなやかに、こんなひどい世の中を生きることのできる「物語のない時代に物語をもつて生きることのできる世代」なのだらう。夏樹さんは自嘲気味に、自分は「老いてまだ「革命の物語」に執着して空回りを続けるのか?」と呟く。
@fookpaktsuenhkg: 産経新聞iPhone アプリ、閲覧情報を無断送信 URL 産経新聞がこんなにハイテクだったなんて……嗤
@fookpaktsuenhkg: 「最善かつ最強の布陣」と内閣改造でどぜう首相。これが最善かつ最強とは情けない。この内閣の最重要課題は「失言と不倫は厳禁」の由。
2012-01-14 12:38:29 via web