富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

島の暮らしで民主主義問ふか?<朝日

fookpaktsuen2012-01-01

農暦十二月初八。晴。陽暦元旦。長洲島で元旦恒例の10Kレースあり参加。九時の高速船で三十分で長洲島につきスタートに向かふが、こんなぎり/\参加はアタシを含め数名で皆さん中環を八時の船に乗るのが尋常でウォーミングアップもきちんと。長洲島をばほゞ一周のこのレースはアタシが一年で一番好き。知己のS氏が成年男子で十位。七年前だかの香港マラソンではフルでアタシに38kmくらゐで抜かれていたのに……なんて向上なのかしら。終はつてランニングクラブの連中で軽く新年会。昼過ぎのフェリーのデッキで昼寝。陽光の下、Tシャツ一枚で寒くないどころか直射日光に汗ばむほど。中環の蘋果屋でジョギング用のイヤフォン購入(フィリップスのランニング用が好きだが汗で右が聞こえなくなつたので買ひ替へ)。ジムで一浴し夕方、帰宅。早晩にお屠蘇で菊正宗熱燗。簡単なお節と雑煮。維納フィルの新年音楽会をラジオで聴く。
朝日新聞も「橋下の時代」でイカレてしまつたのかしら。元旦の一面に「カオスの深淵」と題し「民主主義はなぜ壊れているのか」を問ふといふ。で、その初回に「寓話のやうな話」として挙げたのが大分県姫島村。五十年以上にわたり村長選なし。世襲だが村は昔から村民の雇用を守り財政的にも健全。そりゃそれでいゝが、かなり特異例。それを以て「民主主義とは問い返す島」と見出し。アホかしら。この島はこの島なりにたんに上手くいつているわけで人口2.2千人の島だから、こそ民主主義ならぬ村民主義。所詮、村民の暮らしレベルであるからシンガポールのやうな政府批難も難しい思想的弾圧や橋下の教育改革のやうな人権にかゝはるやうな不具合がないはず(せいぜい村長の悪口がいへない程度で、だがその村長で何も問題ないから悪口もいはぬ程度だらう)。この島とアタシらの直面する民主主義(おそらく、その似非)の末期的症状とは何も関係ないはず。この島はこの島で存在してゐるだけで「民主主義の問い返し」などしてゐない。それを石原や橋下を支持する民草がこれを読んだら「ほら、みたことか」で民主主義や議会など機能しない、だから改革意欲に優れた強権的な指導者を、となつてしまひませんかね。