富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

収爐。深酒のあと一葉「闇櫻」

fookpaktsuen2011-12-30

農暦十二月初六日。曇。平日なのか休日なのか曜日もよくわからないまゝ官邸にてご執務。ぎり/\で今年中にお渡しする仮縫ひ送る。夕方、夏休み以来、で官邸執務室のパソコンなど電源落とす。収爐。年明けから旧正月、夏もまづ休みなし確実の壬辰の年。強引に手帳に九月末から二週間「特別休暇」と書き込む。天后から路線バスで紅磡。ハーバープラザメトロポリスホテルのロビーカフェでカルスバーグ一飲。九龍倶楽部に往き夢上海にて滬菜。葡萄酒が、安いのは安っぽすぎ中途半端な銘柄が高値。食肆隣の葡萄酒庫にてRobert Mondaviのメルロー08年購ひ食肆に持ち込み。開栓費HK$100とあつたがチャージされず。尖沙咀まで歩きペニンスラホテル最上階のFelixに一飲。ヴィクトリアハーバーの夜景眺める。同席の氏が友人がハイアットリージェンシーのチンチンバーで飲んでゐるといふのでハイアットで合流。シャルドネ。半夜三更過ぎ終電近いMTR銅鑼湾。バーSに独酌。「年末らしい」ドライマティーニ一杯。夜中なのに小腹空き「そごう」裏の利苑に雲呑麺飰す。「そごう」裏は今的には間違いなく銅鑼湾なのだが利苑のお品書きに湾仔駱克道とあり無性に感激。さう、こゝは湾仔なのだ、昔は。帰宅して一葉さんの「闇櫻」読む。
香港大学の民意研究計劃が一昨日だか発表の香港市民のアイデンティティ調査結果で僅か16.6%が自らを「中国人」と選び、これが12年で最低。逆に「香港人」が10年で最高。これに対して昨日、中聯辦の宣傳文體部部長郝鐵川が「個人的意見」としつゝ調査では「香港人」と「中国人」を同列に並べるが「この設問の仕方が科学的でもなければ論理的でもない」と一蹴。「香港は一つの独立した政治実体でなく(つまり国家ではなく)中国人でないとしたらいったい何人なのか?」と指摘。この調査する鍾庭耀自身あなたは中国人なのか英国人なのか?と。もすこの設問をするなら回答に「英国人」の選択肢も入れたらどうか、と揶揄。それに対して鍾先生曰く香港市民に「中国人か、英国人か?」と問へば英国(BNO)旅券所持すること除けば大部分が自分を中国人とするのは当然、08年の調査で「中国人」といふ回答が多かつた時は中聯辦は一切、この調査を批難してをらず今回の批判ぢたいが政治的、と。御意。

一定限度を超えた安心は贅沢品だという考え方も必要かもしれない。文化的な問題として日本社会にはリスクについて語ることを嫌う傾向があるかもしれない。「縁起でもないことを言う者」は「縁起でもないことが起きればいいと思っている人=悪い人」という捉え方がある。(神里達博