富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦十一月十八日。晴。先週から忙しく週末の遊び疲れもあり早晩に帰宅。ジムに行くとか走る気もせず。夕暮れ惜しみつゝ寒くなるので暗くなる前にカーテン閉め明かり灯したときの幸せ感。子どものときからこれが好き。唯一の違ひは子どものときはすぐに夕ご飯だつたけど今は早酒独酌。豚汁と豆の炊き込みご飯。食前の赤葡萄酒一杯、ウヰスキー二杯、食事中の焼酎二杯で食後は睡魔に襲はれる。
▼年末で97歳になる大叔父が先週六日に亡くなつたと母から報せあり。大正三年生まれで97歳といはれると「そんなはずないだらう」と思ふが、もう大正百年なのだ。若い時から築地の料亭の板前で江戸前でかなりの格の料理人となり五十代で赤坂に江戸前の料理屋を出したのは、この大叔父はアタシの祖母と同じなら日本橋に育ち、奥さんがもと/\赤坂の花街に家があり赤坂には縁のある人で、ずっと「赤坂の叔父さん」と呼んでゐた。本当にきれいな東京言葉を話す御仁で人柄も優しく教養もあり手本になるやうな方。板前では多くの弟子に恵まれた方。隠居してからは悠々自適に暮らしてゐたが老ひを全く感じさせない方でカメラ好きだったが年をとって手が震えるようになり撮影から遠ざかっていたが90歳のころに「最近のデジタルカメラってのは手ぶれ防止なんて便利な時代になったねぇ」と写真撮影をまた始め、きれいな桜の画像をばメールで写真を送つてこられたのには驚いた。iPadに興味あつたやうだが入手されてゐたのかしら。あゝいふ人生が送りたいと思ふが癌にかゝり抗癌剤治療などでかなり痛みあり「なぜこんな痛い思ひをしなければならないのか」「普通に死なせてはくれないものかねぇ」と嘆いてをられたといふ。ご尤も。
▼昨日の香港国際の余韻まだ冷めず。Chadwick君の香港カップ優勝は香港カップだけでなく国際G1(香港で現在年6レース)で地元騎手としての初勝利。また香港マイルを勝つたAble Oneが九歳馬ならJeff Lloyd騎手も五十歳。馬主の李福鋆醫生もご高齢。この方の弟の李福深(故人)は華人初のジョッキークラブ首席。甥が東亜銀行の李Baby國寶、李國章(アーサー王)、李國能(最高法院裁判長)といふ名家。

(続き)しかもそのT Cruzが今回勝利のCalifornia Memoryの調教師でChadwick騎手の師匠なのだから何とも感動あり。QE II Cupと星加坡国際では裏切られたが今回三度目の正直。お見事。