富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

我們一起追的台湾

fookpaktsuen2011-10-23

十月廿三日(日)晴。香港鼠楽園で蘋果日報チャリティラン(10km)あり参加のつもりでゐたが腰痛がまだ治らず不参加。それでもジムまでの往復とジムでトレッドミルで30分ほどゆつくりと走る。昼にハッピーヴァレイ競馬場。年に二度のハッピーヴァレイでの昼競馬開催。京都B氏、T夫妻と四人でStable Bend Terraceで昼食と競馬観戦。大いに飲む。競馬は勝ったり負けたりで。第7レースあたりからは睡魔に襲はれうと/\とそれもまた心地良し。ジムに寄りサウナで酒を抜いて(のつもりで)晩に九把刀が原作&監督の映画「那些年,我們一起追的女孩」観る(こちら)。九把刀は小説から漫画、ポップカルチャーまで幅の広い流行作家で多作(zh.wikipedia.org/wiki/九把刀)。台湾の彰化を舞台にした自伝的青春小説。ありがちな他愛ない青春物だが映画では二十代後半で十代の高校生演じてみせた陳妍希(Michelle Chen)と新人で主人公の柯震東 (Chen-Tung Ko)が話題に。主人公や友だちが皆、幼稚なのだが幼稚であることを敢へて「だってそうなんだもの」といつた感でそのまゝ見せるのが九把刀の秋元康的な上手さか。この映画にせよ「海角九號」にせよ、それほど「すごい」作品でないのだが台湾でかなり評判になるのが不思議なほど。半分は「大評判」といふ宣伝の上手さだが実際に、かういふ他愛ない物語の何が台湾人の琴線に触れるのか。おそらく「現実の幸せ」なのぢゃないかしら。台湾の何でもない普通の生活。橋田壽賀子だつて同じだが台湾の場合、その毎日のなにげない平凡な暮らしは「対中」問題もありかなり政治的なわけで積極的な意味での「現状維持」がそこにある。「こんな毎日がいゝよね」に対する、殊に若者の共感が「海角九號」やこの映画に感じとられる気がする。だから香港では一応「上映開始で評判」とはなつてはゐるが青春映画以上にバケることはないのは「海角九號」と同じかしら。