富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

アップル、お前もか……寡占と横暴

fookpaktsuen2011-10-13

十月十三日(木)まだ雨空続く。秋の長雨といふ言葉あるが香港ではこれから一ヶ月が秋空の美しい季節のはずなのに。蘋果電脳より「i 雲」とそれに伴ひiOS5提供の報せあり。リリース直後はシステムが不安定で「慌てる乞食は……」なのは知つてゐるがOS Lionの時と同じでせっかちはすぐ入手しないと気が済まない。MacBook ProAirへのi 雲化、iPad2はすんなりで問題なかつたがiPhone(といつても2世代型落ちとなつた3Gs)は不具合いくつかあり。Mobile Me使つてゐたアタシはi 雲もまだ要対応だがmac.comのメアドなど所有する方多数にi Cloud立ち上げのメールが来た由。余計なお世話、といふかMicrosoft社のWIndowsによる寡占が問題で蘋果はアンチであつたはずが蘋果の横暴になつてはゐないかしら。確かにmac.comがありき、でその進化としてのme.comでありi Cloudではあるのだが。勿論、故ジョブズ氏が激怒したといふmobile Meに比べ i 雲はかなり快適ではある。晩に太古城の西苑。生駒T君来港でZ嬢と会食。この食肆に限らぬが最初に出されたメニューが日英版。けして外国人に二重価格制で詐欺ではないのだがガイジンメニューはポーションの多い大皿価格と高級食材ずらり。卓上の中文の季節の料理盛り込んだメニューを見ると、例えばこの食肆で有名な大哥大叉焼もHK$128に対してHK$68の小皿あり。で供されるとガイジンメニューと同じ盛りつけ量?と一寸疑問もあり。スパゲッティハウスが午後の休閑時間にお得なスナックセットメニューあるのに地場客用でガイジンには正価メニュー見せることが批難されたら「食べる量が違ふので少量のスナックメニューではガイジンは満足しない」なんてワケのわかならない言い訳してゐたが、どうであれ何かしらの意図が働いてゐる。一度、どこの食肆だつたか英日メニュー見せられ「中文を!」と請ふたら「それしかない」と言はれ「バカで英語も日本語も読めないのだ!」とバカボンパパしたらかなり嫌がられ中文メニューが出てきたこともあり。生駒T君とはZ嬢と三人でかなり笑ひの芸風に通じるところありいつも鼎談尽きず。岩波「世界」十一月号読む。
内田樹先生のブログより。大阪のバカ知事の教育改革について(こちら)←アホちゃいまんねんバカですねん

これまでも繰り返し書いてきた通り、学校教育は惰性のつよい制度であり、また惰性がつよいということが必要な制度であり、軽々に「民意」(すなわち政治イデオロギーと市場の要請とメディアの作り出す世論)に応じて改変すべきものではない。宇沢弘文先生の「社会的共通資本」論によれば、「共同体の存立に必要不可欠のもの」は社会的共通資本と呼ばれ、専門家による専門的な管理運営にゆだねるべきものであって、そこに政治と市場は関与してはならない。(略)私が経験的に知っているのは、「愛国心」とか「郷土愛」ということをうるさく言う人間に、同胞や同郷者に対する寛大さや愛情の深さできわだつ人間を見たことがない、ということである。彼らはむしろ「愛国心のない人間」や「郷土愛を欠いた人間」をあぶり出して、彼らを攻撃し、排除することの方に興味がある。ほんとうの愛国心というのは、その人間がどんな政治イデオロギーを信じていようが、どんな宗教を信じていようが、どんな道徳律に従っていようが、「同国人である」というただそれだけの理由で「思わず抱きしめたくなる」という感情に依拠しているはずである。

と。内田先生のいつものこのわかりやすい筋の通つた主張はお見事。