富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Frank Gehryの集合住宅

fookpaktsuen2011-09-16

九月十六日(金)曇。朝から出ずっ張りの仕事済ませ早晩に太古坊。Z嬢と待ち合はせArtisTreeでFrank Gehry(フランク=ゲーリー)の建築展。なぜ今こゝでFrank Gehryなのかしら?と思つたら53 Stubbs Rdの古い集合住宅取り壊した跡になんだか大袈裟なマンション建築始まつてゐると思つたら、それがFrank Gehryの設計で地産はSwire*1といふわけでSwireがこの高級集合住宅の発売に合はせ自所の太古坊のArtisTreeでゲ氏の建築展覧開催といふわけ。これまでのゲ氏の一連の建築を見て歩くと(アタシはけして好きな作風ぢゃないが)この建築家らしい独特なぐちゃぐちゃしたスケッチがデッサンになり模型になり図面になり……をよく見せてゐる。そして最後にこの53 Stubbs Rdの素案から具体的な建築設計の詳細が見られるわけで街道沿ひで美術館だか風土歴史館だと思つて入つたら実は観光物産店で最後に土産を買はされる、何だかそんな仕組みの店にうっかり入つてしまつたやうな感覚だが残念ながら53 Stubbs Rdの高級マンションはアタシには買へないから心配も要らない……とこゝまで綴つて何だかチョートク先生の言ひ回しを真似てゐるやうで気になるが、そも/\かういふのは百鬼園や健一さんが得意。まぁアタシはかりに十分な資金があつてもこの奇妙なマンションには住みたいと思はないしヴィクトリアハーバーの夜景もネオンが派手になり過ぎて毎晩眺めたいとは思はない……といくら書いてもたゞの貧乏人の負け惜しみにしか聞こえないか。近くの「函館」で味噌ラーメン(淡味)食して帰宅。何だかウヰスキーをずいぶんと飲む。
▼「つくる会系教科書の採択検討求める」文科省、沖縄に通知(朝日の記事)。さすが文科省。地元琉球新報の社説(九日、平和・人権貫く勝利)読んでゐないでせうね。文科省は制度に則つてなんてコメントしてゐるが制度ぢたいが石垣市教育長とかが「つくる会の教科書採択」を目的に自分たちの意見が通り易いルールに改めてゐるのだから。産経新聞は「採択制度とは、党派的な圧力や政治的な糾弾、妨害などから教育委員を守り、彼らの目にかなった教科書を選び、子供に届けるという大切な制度だ。」なんて宣ふが、守るのは教育が党派的、政治的に偏向しない理性であり、産経新聞が支持できるやうなガチ/\の愛国原理主義的な石垣市教育長ではないはず。石垣市の教育長も怖いがこんな田舎の右翼オヤジや国粋新聞より文科省の方がアタシはずつと怖い(政権が自民党から民主党になつたから政府が中道になるわけぢゃない)。かりに教育長がリベラルで教科書選考にかヽはる委員が「つくる会」支持者多いため選択ルール改め「つくる会」系教科書排除、それに反発の委員が再審査して全体投票で多数決で「つくる会」教科書採択したら文科省はちゃんと「選択課程に問題がある」と指摘してくれるのかしら。
文藝春秋十月号のグラビアの特集、日本酒蔵。「厳寒期の早朝、蒸された米は、人肌よりやや高めの温度に冷まされたあと麹を振られる。当日の夕方、米を揉みほぐして温度を均一化する「床もみ」の光景だ。(神亀酒造にて)」とキャプションにあるが時計は夕方じゃなくて午後二時半だった。まぁ突っ込むほどのことぢゃないんですが。

*1:アタシはSwireは土地開発で一つの哲学を有してゐると思ふからけして地産獣とは云はない積もり。