富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

災ひも百八十過ぎて秋の月

fookpaktsuen2011-09-12

陰暦八月十五。中秋。今日は中秋で日系企業でも半ドンといふ会社が結構、少なくない……と書いて自分で気になつたのだが「結構」は「本日はまた結構なお召し物で」など(こんな言ひ回しと耳にしなくなつたが)「優れてゐる」の意。副詞的にも例へば(仕事を早く済ませたので)「これで結構間に合う」など「完全ではないが相当に、何とか上手く」(岩波国語)などが用例。「結構、いいよね〜」は用法として間違つてゐないが「さういふ人が結構、ゐる」なんて「かなり」的な使ひ方は元々なかつたはず。で今日は中秋。中秋は観月なのだが仕事もいつもより早く終まつた次いでに肌着や生活用品など買ひ物して帰宅。走るには夕食まで中途半端な時間となりヤナーチェクシンフォニエッタアバドと伯林)聴き乍らいつもより濃いめのドライマティーニ。夕餉で無水鍋空豆、里芋とオクラを焼いて、それに茄子と少しの豚肉のオーブン焼き。 無水鍋は文字通り野菜を火に通すことで出る水分を逃さず蒸すやうに焼くのだから被災した際など重宝するし山登りなどでも使へる、と思つたらZ嬢に昭和45年発行の日本食生活改善指導会篇「料理読本」見せられる。無水鍋の特長がいくつも紹介されてゐる。冷房もない陋宅にて昔のChristofleのグラスにBeringerのシャルドネが汗をかいて綺麗。
 災ひも百八十(ひゃくやそ)過ぎて秋の月
と詠んだが陋宅は西向きで月が陋宅の窓から愛でられる前に酒の酔ひで寝てしまつた。