富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八ヶ月ぶりの蔓谷

fookpaktsuen2011-08-09

八月九日(火)昨晩は旅荷づくりや日記、読書で珍しく深更、深夜一時まで起きてゐたが夜型の人には珍しくない時間でも朝三時すぎから起きているので廿二時間、朝七時に起きる人にとつての朝五時までの徹夜に相当。それでも今朝、五時に目覚め。雨音。Z嬢と空港へ。曼谷までAir Asiaで、もう何年ぶりかしらの二度目。前回はBKK/MFMで、これは航空券を当時、BKK発券で贖つてゐたのをBKKも航空券が安くなくなつたので香港までの片道が入り用となり物は試しと乗つてみたものゝまさか日本ではANAが合弁にまでならうとは。今回は復路が曼谷ぢゃない、かういふ時は片道売りの格安航空は便利。しかも最前列宛がはれ何も文句はない。閑古鳥鳴くターミナル2での出境手続き。金属探知ってピップエレキバンは問題ないのね。ありゃ磁石だからか。機内食など一切,注文してゐないので登場前にラウンジで腹拵へ。二年前の曼谷-澳門の時は大陸の田舎漢のツアーが乗り合わせ自由席にぞっとしたが「英語ができるか?」で最前列宛てがはれる。今日は大部分がいかにも旅慣れた慣れた感じのガイジンばかりで搭乗前かて「ここが香港か?」の静寂。みんなiPod(笑)搭乗が遅れたのは眺めると貨物の積込みがあちんたらの手作業。格安エアラインの小型のエアバスにしては貨物多くあたしの前に並んだ客が「あんな貨物積むなら、もっと座席を増やせるのに」と呟くから“Cargo must be more profitable rather than us.”とあたしが応じると周囲の搭乗待ち客にけっこうウケた。全席エコだがホットシートなる千円くらゐ払うと最前列や非常口近くのピッチに余裕ある席が指定出来それにしてゐたが、こんなに上客ばかりなら自由席で十分だつた。いずれにせよ最前列で搭乗も優先。席もかなり余裕あり。機中、藤澤清造の「根津権現裏」(新潮文庫)読む。蔓谷到着。iPad用に購つたMicro SIMは40時間だか使ひ放題で฿248也。予想以上に涼しい曼谷、昼どきだからかしら。タクシーで市内ぜんぜん渋滞なしで数本あつたお仕事のメールも返信し終はらぬうちにホテル、Swissotel Nail Lert Parkに到着。暫く待たされJunior Suiteへ格上げ。下榻。Z嬢は一人でお買い物へ。あたしは今回の旅行で一つだけミッションあり野暮用済ます。夕方から雨。かなりのものでSukuhumvitで歓楽街の酒場に雨宿りに寄れば女給がやたら親切で愛想がいヽと思つたら、いはゆる銘酒屋。女給相手に世間話で麦酒二杯。Asokで蔓谷Y氏夫妻とZ嬢と待ち合わせスクムビットプラザ=韓国街のDoo Rae(ドウレー)なる韓国料理屋。二更に入つたころにお開きでBTSでホテルに戻る。がぶ/\と飲んだ막걸리の酔ひで心地良し。
▼「自分が立ち上がることなのだ」と安藤忠雄氏、先月末の朝日新聞主催「日本を元気に」シンポジウムで。確かに。たヾそこで求められる<個>が果たして日本にあるのかしら。市民革命も経ず、終戦でも何もないまゝ清々しく明るい戦後を迎え悪かつたことも良かつたことも流してしまふ、この社会で。