富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-08-01

八月朔日(月)晴。取引先の銀行で貯蓄型生保手続き。生保といつても貯蓄型といふのは実質的に死亡時の保険金受取放棄することで(受取可だがかなり低額)受取現金ポーション金利が高いといふ商品。積立てする当初5年と3年くらいは0金利だが十数年後からは結果的に今から5.5%くらゐの金利で定期預金してゐたといふことになる。複利といふのは十年、廿年で考へるとバカに出来ぬし5.5%といふだけで今の低金利の世の中では有り難い話。だいたい銀行の店頭に最高利息5.5%なんて出てゐるのはかうした金融商品。それにしても契約したら十合デパートか超級市場の商品券1,000ドル分、それとクリスタルの布袋様、高級海鮮干し物の組み合わせのいずれか、といふから何れも要りませんといふと商品券が引き換へで350ドル分、それに映画の引換券2枚……。クーポンくれるときの銀行員と保険の営業君の至福の表情。香港はほんとクーポン好き。不動産屋の前を通ると「即放盤」(物件を売りに出す)で超級市場現金券$200なんて、何千万円のマンション物件の売買で200ドルのクーポン貰つてだうするのよ?と思ふのだが。早盤にTaikoo PlaceのThe Codfather Oyster BarでZ嬢と夏の生牡蠣祭り。この時期は新西蘭産など旬。南アのMulderbosch、09年のSauv Blを飲む。ムール貝。食後にArtisTreeで又一山人(Stanley Wong)の“What's Next 三十乗三十 創意展”(こちら)見る。又一山人(公式)が自分の好きなアーティストたちとの対談やその作品を集めた展示。ゆつくり眺めてゐたら半日はかゝる。本日、山上たつひこ「新喜劇思想体系」(下巻)と香港大の図書館から借出しの眞有澄香著「泉鏡花 人と文学」(勉誠出版、日本の作家100人シリーズ)読む。前者は上巻に比べ歴史パロディなどかなり深みあり。単なるギャグからの昇華。後者はアタシには鏡花を何を今更、で「人と文学」なのだが、あたしの鏡花は最初、新派の芝居、そして大和屋で舞台から入り「高野聖」あたりから小説を読むやうになつたが意外と泉鏡花について何も知らず、で読んでみたが「あ、さう」といふ感じ。でも高野聖なぜ戦前から鏡花作品が国語の教科書に何が、だう掲載されたか、の研究は面白いところあり。

喜劇新思想大系 完全版 下巻

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泉鏡花 人と文学 (日本の作家100人)

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