富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

菅首相の居直り、朝日の開き直り

七月十三日(水)雨。本日、ふとした経緯でiPad2をば入手。3Gなので信報と明報は紙購読を止めようかしら、と思ふ。信報は論説と文化欄以外圧倒的に読まぬ紙面の方が多いし。早晩に帰宅してドライマティーニ飲みつゝさく/\とiPad2を自分に最適化。魚介とクリームソースのパスタ。豪州はVasse FelixのHeytesburyといふシャルドネ 07年飲む。
▼新聞に胡錦濤国家主席、温家寶首相宛に新聞半頁大の「請你們抽空關心一下我們的天主教」と意見広告。登載者は「一個年長的香港市民」とあるが実名で陳日君、ってアナタ、羅馬の枢機卿でせう、とても一個年長的香港市民ぢゃないですよ。
▼今朝の朝日新聞の「いまこそ政策の大転換を」と題した「提言 原発ゼロ社会」には驚いた(書き手は論説主幹の大軒某)。ナベツネ新聞が昔、憲法改正で読売試案発表も驚いたが読売の場合は会見は社是で具体的案を出したか、程度だつたが今日は原発の消極的容認だつた朝日が脱原発で、社是の一歩前進はいゝが(原子力政策に関する戦後の社説の論調の変化をまとめて見せただけ*1で)これまでの何ら総括もないまゝ(敗戦の際は一応はきちんと戦時中までの翼賛紙面への謝罪はしたわけで)こんな大胆な脱原発で舵取りで恥ずかしくないのかしら。それに比べたら浜岡原発停止に続き耐性評価後の原発再稼働……菅丞相の超法規的判断が訝られるが「思ひつき」と揶揄される首相の判断だが我々は有史稀な名宰相をもつてしまつたの加茂。退陣表明してのこの居直りと反原発のやりたい放題。小樽M氏はきちんと民主主義的な手続きを踏んでほしかつた、と。確かに。だが小泉改革然り、国旗国歌然り、君が代起立斉唱最高裁判決然り、自民党が上手く利用した村山談話然り「やつたが勝ち」でこゝまでくると今更、民主主義と言つてをれぬか。やられるばかりぢゃ面白くない。結果論重視で、この脱原発の流れは菅丞相しか、こんな「狂気の沙汰はできまひ」で結果論で支持したい。菅丞相、拙いところ多かれど「敵」にあそこまでやられたら今更もう持ち札もなし。その敵と「同じやり方」以外に何があるのか、といふ気が。

*1:「この半世紀、巨大技術の危うさがわかり、人々の科学技術感も変わった。それを感度よく、洞察力をもってつかめていなかった。反省すべき点は多い。」とまとめたがこれぢゃ世論や市民感覚の後追ひに過ぎず、で而も感度が悪かった、とは……。