七月十二日(火)昨晩は珍しく午前一時過ぎまで机に凭り流石に今日は疲労甚だし。折からの雨でジムに往く気も失せ早晩に帰宅してドライマティーニ二杯。お好み焼き食す。午後九時過ぎに臥床。
▼朝日の書評で樋口先生の新刊上梓を知る。「いま、憲法は「時代遅れ」か〈主権〉と〈人権〉のための弁明」(平凡社)。先生が敢へて「弁明」*1と題したのが何ともいゝぢゃないですか。まだ未読でいふのも何だが陽一先生、失礼ながら、嘗て、先生がわかりやすく書こう、とされていた文体こそ言ひ回しが難読、といふ気もしたが、この新刊は、けっこう、スカッと読み易いのでは? そして驚いたのはこの朝日の書評での柄谷行人の何とも「コージンに今までこんなに簡単明解、すっきりとした文章があつたかしら?」といふくらゐ何とも爽やか(こちら)。すっきり、を通り越していへば余りに「普通」。コージン先生が樋口先生の象徴する戦後民主主義をあんなにストレートに評価していゝのかしら?といふ気すらする。築地のH君がこれをいみじくも「思想的にはポストモダンの敗北」と指摘しつゝコージン先生の場合は「ポストモダン批判」なので微妙なところ。寧ろアタシらの柄谷行人の印象が勝手に「柄谷行人っぽい」であつて実は明るいご機嫌な人なの鴨。実は能弁で、よく飲み屋で政治談義しているオヂサンみたいな、さういふ柄谷行人であつても何も悪いコトぢゃないだらう。
いま、憲法は「時代遅れ」か―〈主権〉と〈人権〉のための弁明(アポロギア)
- 作者: 樋口陽一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2011/05/13
- メディア: 単行本
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*1:弁明 [名](スル) ①事情などを説明してはっきりさせること。「事のやむなきを―する」 ②他人の非難などに対して、言い開きをすること。「― の余地がない」「失言を―する」...