富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

リアルインパクトは馬主がねぇ

fookpaktsuen2011-06-05

六月五日(日)晴。午前公邸で書類整理。漸く体調もかなり回復して昼過ぎにジムに往き運動。トレッドミルで走りつゝ安田記念の中継眺める。「そんな……」ッて結果。アタシは斎藤さんにお願いしてビューティーフラッシュの応援馬券買ふ。これがくれば昨日の梁醫生の診察費もカヴァーしてお釣りがくると皮算用。結果、九着。T Cruz調教師は子飼ひのChadwick騎手をシンガポールでのカリフォルニアメモリー騎乗の失敗から今回の日本遠征から外しW C Marwing騎手を遣はしたが結果論だが、この成績なんだからChadwick君で一か八かの勝負も面白かつた鴨。この安田記念で優勝はリアルインパクト。アタシはこの馬主・華府手嶋が嫌ひ。いかにもこの人が好きさうな名前<リアルインパクト。哺時Z嬢と出街。Mid LevelsはBonham Rdのかなり久々でCzarina Restaurant(莎厘娜餐廳)に夕餉を食す。正直言つてアタシが料理した方が美味いだらう。だが美味い不味いぢゃなくて「もうこの食肆はこれ」といふ世界。近所の上客で早くからぎつしり。歩いて香港大学。旧館講堂で人文学部主催のRoman Baroque Sonatasといふ演奏会ありN准教授にお招き受ける。奏者はヴァイオリンがLorenzo Colitto(伊)でチェンバロがDavid Chung(港)。イタリア商工会議所から葡萄酒のお振る舞ひあり。アルカンジェロ=コレッリ(1653〜1713)のヴァイオリンソナタ2曲(ラ=フォリア含む)。コレッリはヴィヴァルディより25年、大バッハヘンデルより32年年長(覚へ書き)。ジローラモ=フレスコバルディ(1583〜1643)のトッカータチェンバロ曲)。ヘンデルのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタニ長調、スコラッティのソナタイ長調(K208とK113)等。香港大学の素晴らしい講堂だがバロックの、しかも弦とチェンバロは舞台上で演奏を客席フロアで聴くには音量的にも難あり。演奏会の規模と客数を考えれば奏者もフロアとすれば好かつただらう。江戸時代初期にこれか、と思ふと驚くが安土桃山の時代には信長とかお殿様も当時の最先端のバロックのオルガン曲など聴いてゐたのね。
▼昨日のFT紙の読者投稿欄に“Cultural Revolution was reassessed by Chinese”とあり投稿者はキッシンジャー博士(こちら)。読み過ごしたが先週末の同じ紙にクリス=パッテン氏がキ博士の新刊“On China”の書評載せてをり(こちら)今になつて読んでみたが
While the author is not uncritical of Mao, the criticism takes second place by a country mile to the portrait of an alleged geopolitical genius. True, Mao kept China united after the Communist party’s civil war victory; yet China’s successes since Deng’s reforms remind us how disastrous the Mao years were. Kissinger writes of Stalin: “His leadership was ... marked by a ruthless cynical Machiavellianism based on his brutal interpretation of Russian national history.” The same could be said of Mao, who eulogised Emperor Qin Shihuang, notorious for burning books and burying 460 Confucian scholars alive.
なんて指摘あり、そりゃキ博士だつて面白くなからう。だが、この昨日のキ博士の反論も「パ氏がわかつた上で敢えて旧知の尊敬に値する外交の先達の(おそらく最後の)大著に反論して見せた」のを敢えて正々堂々と受けてお見事。大人の外交論。