富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

石原も石原なら都民も都民……

fookpaktsuen2011-04-10

四月十日(日)晴。昨晩の西環からの帰りのバスの冷房にやられたか遅晩から体調悪く今朝は胃腸の調子も悪ければ悪寒も甚だしい。熱は37度から上がらないので(それでも老人性低温のアタシには高熱なのだが)朝イチで近所の掛り付けの週末も半日診察の無休C医師の診断を請ひに往く。案の定、Gastro-enteritisの由。終日陋宅に籠りうと/\としつゝ読書、といつても肩が凝らぬ程度にハッピーO君が東京から送つてくれた週刊東洋経済三月五日号・特集「鉄道最前線」や「鉄道ファン」四月号は創刊600号(50周年)特大号眺める。二月に母と東京から伊豆に遊んだときの踊り子号、どこかで見た外観の車両、と思つてゐたが185系って東北新幹線が大宮始発で暫定開業の時の上野〜大宮の新幹線リレー号か。チョートク先生の徠卡ワークショップ(枻出版)も読了。トーシローがレンズのボケ味なんて語ることにチョートク先生曰く

誰だって、ズミクロン50ミリの沈胴レンズの後ぼけの味を熱く語るプレッソンなんて想像するのも嫌だし、ズミクロン35ミリの後ぼけの形を分析するアンドレ・ケルテスなどは嫌いになろうというものだ。

と。御意。チョートク先生のライカ本には魯山人と酒肴のことだけぢゃなくカメラについての話もちゃんと書いてあるのだ。その先生の日記にアタシのキース・へリングのポスターのことが言及された。題して「キースへリングの昔」(こちら)。アタシの寝室の枕元の素人スナップがチョートク先生のブログに出てしまひ「友人」と呼ばれたのがこそばゆい。その日記のタイトルが「キース・へリング」ぢゃなくて「キースへリング」なのがちょっと気になつたが「キースへリング」は感覚的にone wordでもいゝ鴨。すでに昨年で購読中止してゐるTyler幻想Brûlé氏のMonocle誌も二冊、眺める。晩は白葡萄酒二杯と鶏の手羽先と野菜のポトフ。統一地方選挙都知事石原慎太郎当選。選挙速報するNHK青二才ども中継で慎太郎節にタジタジ。震災復興のこと尋ねるよか都政の財政問題や破綻の石原銀行、核惨での水産損失で築地市場の移転どうすのか等一つも質せず。思ひ出すのは1975年に亮吉さんが都知事二期で引退表明、石原は「もう新旧交代の時期じゃありませんか、美濃部さんのように前頭葉の退化した六十、七十の老人に政治を任せる時代は終わったんじゃないですか」と出馬、老獪な亮吉は「ファシズムの復活阻止」と出馬表明で当選=石原落選。石原はこれがトラウマになつてゐるのか或は学ぶところ多かつたのか、いずれにせよ当時の亮吉さん71歳に対して石原は八旬近し。老害。それにしてもこんなのを都知事に四度びも選ぶ都民も都民だが石原に勝る候補者もをらぬのだから日本の政治なんて疾うに終はつてしまつてゐる。この人の四選出馬表明の直後に東北の震災、で震災から一ヶ月目でこの人の当選……悪夢以外の何ものでもなし。さういへば今日はペルー総統選挙。東京で石原再選、ペルーでフジモリ娘が総統……なんて冗談でも口にしたくないファッショの連鎖反応。

週刊 東洋経済 2011年 3/5号 [雑誌]

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