富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-04-03

陰暦三月初一。晴。朝の気温摂氏廿一度で廿八度まで上昇といふが室内だと肌寒さもあり。震災以降の仕事全く終はる気配もなく今日も官邸にてご執務に向かふ途中、今日の競馬で香港G1の主席錦盃の馬券だけ買はふと場外に寄り機械にカード差し込むと残高が0一つ多く「なによ?」と思ひ配当記録を開けば競馬に非ず、いつもアタシの恣意的なラッキーナンバーで買つてゐる六合彩(Mark Six)で6個の数字のうち5個的中してゐるぢゃないの。あらら……の大当たり。あと一つ当たればHK$数百万だつたのだが落語の「芝浜」ぢゃないが、欲は良くありません。それにしても偶然とはいへ来るときは来るものだねぇ。これまでHK$300がMark Sixのアタシの最高賞金だつたのに。それが震災の直後とは。これも御仏から震災に義捐せよ、との思し召しか、と感謝。本当に感謝。こんな時に当たつたのがドバイの競馬と同じで嬉しい。夕方までのご執務済ませ安い白葡萄酒三本購ひ帰宅。久々に野菜澤山の夕食。有機野菜は放射能より芋虫やてんとう虫に気をつかふ、とZ嬢(殺さないやうに)。御意。
朝日新聞書評で中島岳志が取り上げた小津論の與那覇潤著「帝国の残影」(NTT出版)。兵士として中国進駐体験ある小津が映画でなぜ直接的な戦争描写が欠如するのか。面白いテーマだが中島の評で「小津は生涯独身だった。にもかかわらず彼は日本の家族を描き続けた。一方で兵士として戦争を体験しながら彼は戦争を描かなかった」という記述あり。独身で家族を描くこと、兵士だったから戦争を描かないこと、に何か不自然があるのかしら。