富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

財爺「轉軚」派錢 恐開壞先例

fookpaktsuen2011-03-02

三月二日(水)曾俊華宣布向18歲或以上永久居民派六千元及退稅。先日の香港政府の新年度予算案の発表で潤沢な財政にもかゝわらず「派糖」(飴を配る)が年金や固定資産税、電気料金の補填に留まつたことに世論の反発高く財務官(髭曾)の支持率急落。政府はこれに対処、と急きょ市民一人あたりHK$6,000の現金支給を発表。ありがたい話だが政府も情けない腰砕け、迷走ぶりご披露。また北京中央に「大局と長期的観点から真相矛盾を解決しなければならない」とか苦言されるのかしら。いづれにせよ、前代未聞の予算案発表後のこの世論融合。個人的にはHK$1.5K余のお恵み(MacBook Pro購つてもお釣りがきた)はありがたいところ。だが今回の派糖は「すべきでなかつた」と思ふ。パンドラの匣をばひっくり返したやうなもの。これから「ゴネ得」通用の世界。政府が一旦、提示した予算なのだから財務官一人の辞任程度で済むならそれを固持し、せめて新年度で改善すべきだったろう。もう「取り返しのつかぬところ」に辿りついてゐる。蘇州のI君曰く所得税が15%に抑へられ今回のような余剰ばらまきの香港と累進課税所得税も40%超える中国が、これから将来どう辻褄合はせるのか、と。御意。晩に金鐘のPacific Place商場。ふと思へば何ヶ月どころか1年ぶりくらゐ? 買ひ物ありのZ嬢と待ち合はせるがお互い慣れてをらずランデヴー場所を携帯で「どこ?、ここ?」とやりとり。何年ぶり?でDan Ryan'sに食す。Dan Ryan'sとGrappa'sは20年余年前にこの商場出来て以来の、もはや老舗? 香港でPacific Place以降、いくつも商場出来たが他を大きく引き離し此処が最善だらう。中環のLandmarkこそ大店だが商場にゐる者の流れ、空間性では明らかに負ける。Dan Ryan'sはシカゴグリルで供される食べ物の量も米国的に下品で大量。アタシらにはハンバーガー一人前と小皿のホウレン草のクリーム和へ、のシェアで十分。ふと思へばこの金鐘とてアイランドシャングリラ、コンラッド、マリオットにアッパーハウスとホテル6軒もあるがホテルにせよ「ちゃんとした食肆」に食すことがいかに減ったか。理由は言ふまでもなく「ちゃんとした食肆がちゃんとしてゐないから」なのだが。値段に全く見合はない。食事以上にサーヴィス。そして客のレベル低下。不愉快な場にゐあはせたくない、と思ふと自ずから足も遠のく、といふもの。
▼新聞のリード、やつぱりこゝまで面白くないと(本日の蘋果日報、一面トップ記事「出席辛亥革命展覽 聲稱遭撞心口
曾蔭權「遇襲」入院驗傷」)。

一名66歲男子昨晚報稱心痛前往瑪麗醫院驗傷,證實僅屬皮外傷。男子姓名曾蔭權,職業為香港特首,他聲稱出席辛亥革命紀念活動時被示威者衝擊所傷。警方已拘捕社民連成員黃俊杰,但本報取得社民連拍攝的片段,發現黃根本未能觸碰曾蔭權,反而保鑣擋駕時右 㬹碰到特首左胸,特首即慘叫一聲。社民連主席陶君行譴責特首器量狹小,貽笑大方。

「66歳の男性が病院に「心痛」と現れたが、ほんのかすり傷。この男性の名前は曾蔭權、職業は香港行政長官……」で、実際には抗議者は文革曾に触れてをらず、SPの肘が当たったのに悲鳴。このどーでもいゝ扱いのベタ記事風で最後は行政長官の「器量の小ささにみんな大笑い」とまとめてみせる。日本の新聞も見習ひませう。
▼武蔵野のD君より「革命歌インターナショナル禁止か 広東省を皮切りに波及する動き」といふ雑誌「選択」(3月号)の記事を知らされる。まるでオーウェルの「動物農場」みたい、とD君。

動物たちがいつものやうにインターナショナルを歌ふと、豚がやつてきて抑制し「その歌は禁止されてゐる!」といふ。動物たちは「あれ?いつも皆で歌つてゐたぢゃないか」と不思議に思うが、豚がさういふならきつとさうなのだらうと思ふ。農場の日誌を読み返すと、たしかに最初からインターナショナルは禁止歌とされてゐた……

といふ話。そのうち「革命」「共産主義」すら中国では禁句になるのかも。

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