富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-01-31

一月卅一日(月)晴。摂氏氷点下七度の朝。実家にて雑用済ませ昼前の常磐線で取手。自動車雇ひ浄土宗本泉寺。三年前の一月に遊仙された畏兄故月本裕氏の墓参。水道橋のご自宅には一周忌のころに伺ひ仏壇にご焼香だけしたが常磐線で取手通るたびに墓参を、と思ひ今になつてしまつた。月本さんの一族が取手のこのあたりで曾て利根川の治水などに貢献を墓誌で知る。午後、土浦。新義真言宗常福寺。十代のころの親友H君の掃墓。今年の夏でもう十三回忌。土浦の市街から南に桜川渡り旧水戸街道が坂を上つたところにある常福寺最澄の高弟・最仙を開基とする寺で(その後天台宗から改宗)平安末期の作といはれる薬師如来(国重文)拝む。寺に行くタクシーの運転手に市街の商店街は壊滅状態でも桜町の浴場街はシブトイですなぁと話かけると戦争のころの予科練からの歴史ですから、この街の風俗は、と。戦後は仙谷的には所謂<暴力装置>でだいぶ賑はつた、と椿事いくつか聞く。墓参のあと市街まで旧街道を歩く。たしかに桜町は昭和のころと変はらぬ風情。ソープは「早割」の客引き。明るいうちからこんなところ彷徨つてゐると何だか好事家のエロジゝイである。「ブラジル」といふ三十年前からとき/\寄らせてもらつた珈琲専門店は店構へは同じでもカフェドランクルといふ名前になつてゐた。数日間の休業中。残念ながらアタシが土浦にH君らと遊ぶ契機となつた畏兄・M氏にはアタシの急な予定変更で再会ならず。電話で「生きてゐればまた近々会へるから」と墓参優先を謝る。鉄道の車中、花村萬月の王国記�「汀にて」読む。晩は母と妹と外食の前にリーガル靴店で四年くらゐ穿き潰した革靴を買ひ替へ。日暮れて鄙びた商店街でMill Woodといふバーにハイボールとドライマティーニを飲む。母と待合せ無印で冬物安売り。妹も来て三人で寿司。

汀にて―王国記〈3〉 (文春文庫)

汀にて―王国記〈3〉 (文春文庫)

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