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一月廿六日（水）ふだんはその日の新聞読み終へるのも難儀。日本の新聞なら量も質もまだ軽いが香港の新聞だと一紙あたりの頁数が日本の五倍くらゐあるので本当にヘヴィワーク。子どものころに、せめて英語の勉強に、と戦後、朝日新聞で連載されてゐた漫画「ブロンディ」読んでゐて、ダグウッド氏が夜中に空腹覚へ台所でサンドヰツチ作り頬張るのは理解できても、なぜブロンディ（妻）がもう寝入つてゐるベッドで夜中に新聞を読むのか、と、新聞は夜中まで読むものぢゃないしダブルベッドだから夫婦なら他にすることがあるだろうに、とダグウッド氏の夜中の新聞読みを訝つてゐたののだが大人になつて、いかに新聞読む時間すらない＝「忙しい」ぢゃなくても他にすることがあつて新聞読みがアトまわしになる、で最後は布団に入つてになること実感。で毎日さうなのだが（こゝまでの話が長いが）今日のやうに朝から深圳に向かふと新聞五紙が深圳の手前、粉嶺あたりで読み終へてしまふから。それに一応は香港の新聞は中国は持ち込み禁止らしい。一度くらゐ、わざと中共に罵詈する蘋果日報を小脇にかゝへ通関してみたい。で深圳。お昼に国貿で「嵐山」だつたか、いはゆる日式の日本料理に食したが期待以上に真っ当。前回の手打ち蕎麦といゝ香港に比べても「頑張つてゐる」感あり。帰りに羅湖火車站地下でiPhone関係のアクセサリー眺めると明らかに偽物なのだがUSBのケーブルとかACアダプタとか本物も偽物も結局、製造しているのって此処（深圳）なんだよね、のレベルの高さ。本体は勿論、本物にすべきだが中国仕様のアダプタなんて、これでいゝよね、と思ふ。香港に戻り中環。FCCでハイボール一杯。ハイボールが一杯で済んだのは晩にWatson'sのワインセラーでウヰスキー試飲会あつたから、で今回はGlenfiddichとThe Balvenieで、アタシもこの二つの蒸留所が同郷とは知つてゐたが歩いて五分とまでは知らず、Glenfiddichは15、18、30年、The Balvenieは12、21年で、参加者もそれなり、にモルトの蘊蓄垂れてゐらっしゃる。好事家で談したが、貰ひものですがThe Balvenieの1973年物も陋宅にござゐまして賞味しましたが、なんては語らはず。自宅に戻り遅めの夕食。筋子を一切れ、辣韮、新香がなんと美味なることか。
▼マカオのカジノ王、スタンレー＝ホー博士の財産醜聞。三日目。先づはホー財閥で四人の妻それぞれの家で財産相続で紛争なきやうとホー博士が生前に上手に会社資産を分散と報じられ（一日目）、昨日の新聞には二房、三房の財産横領に老人が怒り提訴か、と話題沸騰したが昨晩、第三夫人と娘がホー博士のコメント発表。報道の内紛否定し家内平穏、各家への所有株式の分散はホー博士の決定で全く問題なし、家内のことは一族全員できちんと処理、と。更に勝手に一族の内紛に言及の顧問弁護士も解雇、と。これが事実ならたんにマスコミのデマ報道か、で済むが顧問弁護士は解雇否定し予定通りホー博士を原告として裁判所に二、三房を財産横領で提訴と意気込み事態は三流マスコミのレベルで話題更に沸騰。香港史では上流中の上流、何東侯爵の一族でも、まるで映画「アダムスファリミー」の如きスタンレー＝ホー氏の一族が財産分散でこれから先どこまで話題盛り上げてくれるか、を請ふご期待。
富柏村サイト　www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像　www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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