富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

何鴻燊家族就澳娛股權分配出現爭議

fookpaktsuen2011-01-25

一月廿五日(火)曇。昼間かなり忙しく状況的に電話に出られない時に母の携帯から電話。消音にしてをり一度目を無視したが数分後に二度目にまた電話あり何か緊急か?と思ふ。それでも忙殺され数時間後にようやく電話。すると「帰省するときにQueen's Cafeのヌガーのお菓子買つてきてね」と。安心とはかういふことか。晩に野菜たつぷりの夕食で(米飯なし、は当然)飲み残しのNeudorf Pinot Gris 08とRobert Mondavi Sauv Bl 08を数杯飲む。
▼つひにマカオのカジノ王・スタンレー=ホー博士の財産巡りご本人かなり老いてもまだご存命のうちから四人の妻の家族が相続問題で紛糾始まる。老ひ先も短からうホー氏が自らの死後、遺族が争はぬやうにと財産の配当始め「さすが四人も妻がゐると采配も立派」とすら思はれてをり今日の朝刊もホー氏がもつマカオカジノの株式を第二夫人の子女、第三夫人に分け与へ、これまで三人の妻(本妻は逝去)のうち実際にマカオカジノの経営をホー氏より託されてゐた第四夫人の権益(HK$57億)を抜き第二夫人家族(HK$192億)が最大利権者となり一族のなかでは比較的地味であつた第三夫人にもHK$67億が贈与され形成逆転の由。それだけでも大ニュースだが、今日になつてホー氏の弁護士が第二夫人家族と第三夫人への株式贈与はホー氏承認してをらず「強奪」と表現。48時間以内に正式な返答なき場合は裁判に訴へる、と表明。第二夫人の娘(何超鳳)は父(ホー氏)の署名入りの権益譲渡に関する手紙を公開し正当性を主張。何ともまぁ小甜甜・龔如心の遺産相続狙ふ謎の風水師・陳振聰による醜聞より更にドロ/\になる可能性高し。請ふご期待。それにしてもこの今日の蘋果日報の大見出し「大紅燈籠兩房掛」は秀逸。当然のことながら中国で多妻の主人が屋敷内で晩に同衾する妻か妾の房に赤い提灯掲げられ……は張藝謀監督の映画「大紅燈籠高高掛」(邦題:紅夢)で印象的なシーンだが、この映画のタイトル捩りホー家で突然、その赤い提灯が兩房(第二、三夫人)に掲げられた、と。この「大紅燈籠兩房掛」の七文字でそれを見事に言ひ表すのだから見事。
▼昨日の信報(文化欄、楊天帥)が香港の大学を学生団体(かつては日本で「自治会」と称したが)の代表らのコメントなど通し分析。一言評が秀逸。
香港大学:    過於自滿的天之驕子
中文大学:    有文化而不識變通
理工大学:    實事求是的「曳」學生
嶺南大学:    人情味濃厚但不擅表達
バプティスト大学:平均發展 欠缺特色
城市大学:    處事世故不純樸
科技大学:    象牙塔的高層住客
樹仁大学:    謙虛友善的二等兵
公開大学:    好過無書讀?
と。実に言ひ得て妙。各項目の数字評価で総合点一位は他を引き離し中文大学。香港大、理工大が続き背景が違ふ樹大、公大の二校除くと最低点なのはMBAや先端技術など学術ランキングでは香港大を抜き世界ランキング上位の科技大なのが興味深いところ。
▼昨日の蘋果日報の連載で左丁山氏が先ごろ米国訪問の胡錦濤主席が国宴でタキシード姿の小浜総統に対して平服の背広姿で、タキシードで合はせろとはいはぬが寧ろなぜフィリピンやタイ、印度のやうな民族服の礼服を着ぬのか、と。中国の現代風にした中山装ではダメなのか、と。また陶傑氏は「教科書を信じるな」と題して中国は帝国列強の侵略を受け蔑まれて疲弊してきたが今日の経済発展で世界第二位の経済体となり……と語られるが歴史を繙けば清朝が中国として始めて欧州に遣つた駐英公使の郭嵩燾(1818〜1891)は、その尊厳あふれる人格で倫敦では首相と外相が王宮の門に出迎えるほどの厚遇で接せられヴィクトリア女王に謁したが当時、倫敦で奇異の目で見られた清の外交団で一人の随従員が街頭で巫山戯た市民にステッキで小突かれ、この事件はさすがに警察沙汰になつたが郭嵩燾は司法当局に寛大なる措置と赦しを求めたことで政党や新聞がこの大人物を絶賛といふ逸話あり。たんに強大横柄な西洋人と疲弊した中国人といふステレオタイプで見るべきでなければ阿片戦争とて加害者=英国と被害者=中国と映るが実は清朝も華南の総督が阿片売買での税収利益があり阿片禁売に反対したこともあり、と。歴史はさう簡単に単眼では読めず。
▼香港鼠楽園が2010年はHK$2.2億の単年度利益を出し累積虧蝕をHK$7.2億にまで改善と報道されるが、どこまで正確か、と数日前の信報(卓文)。巴里の鼠楽園など業績収支や財務状況が公開されてゐるが香港はあくまで鼠側の数字発表のみ。米国の鼠本社の年報(2010年)によれば巴里と香港の鼠楽園が合算されて数字公表されてゐるが(細かい計算を綴るのは省くが)香港鼠楽園はHK$7億の累積虧蝕どころかHK$1.6億の黒字になりゃせぬか、と。この卓文なる方の推測では、米国の鼠本社は香港鼠楽園から管理費や版権などコミッションで莫大な収益上げてゐるが香港鼠楽園はさうした本社への上納金も経費支出としたうえで収支を見ればそりゃ利益幅の小さかろう、と。結局のところ三顧の礼尽くし誘致した香港政府が馬鹿を見て米国鼠が儲かるといふ図式は開園前から危惧された通り。

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