富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-01-23

一月廿三日(日)晴。最初に目ざめたがちょうど3:33のゾロ目。さすがに朦朧と次は555か、と思つたが五時過ぎ起床。午前中、昨日に続き湾岸を小一時間走りジムで一時間の有酸素運動。日なただと暑いくらゐの陽気。午後遅くZ嬢と九龍の牛池湾(地下鉄の駅は「彩虹」だが)。牛池湾文娯中心で東邊舞踏団なるダンスカムパニーの「奇艦舞人」なる舞踏(こちら)発表あり三組(四人)の舞踏家が出演。そのトリがDaniel Yeung(楊春江)君で彼の踊りを何年ぶりかしら?で見る。もう三十代後半かしら、でも相変わらず少年のやうで舞踏は以前にもまして背中の筋肉から足の指先まで身体の全てが演じてゐる。さらに舞台の基本装置や構造まで全てを演出として用ゐて会場を出て非常階段を外まで往き戻つてくる状況をビデオカメラで追い会場まで戻つて来るのを視覚的トリックまで上手に使つての発想に脱帽。Poor Danceと題したこの踊りは踊り手の「孤独な身体」がテーマとでもいへようか。誰にも相手にされぬなかでもひたすら踊り続けるしかない踊り手の身体……。踊りの冒頭で陳百強(Danny Chan)の「有了你」が流れてきたと思つたら春江君による見事なカラオケで笑つたが後半の印象的なピアノ曲は“I Loves You Porgy”でKeith Jarrettの演奏。この作曲者がIra Gershwinなる、有名なガーシュインジョージでその兄によるもの、とアタシは今日までガーシュインのやはり作曲家の兄の存在すら知らず。見事な舞踏であつたが(三日公演でどこかの学校にもで入場券配つたらしく)舞踏見慣れぬ若者がわい/\、幼児連れた家族連れなど踊り手が脱衣しただけでざわめき身体の奇妙な動きや舞台から落ちてみせるだけで笑ひ客層の低水準に辟易。早晩に観塘。「雲南風味」に食す。虎皮椒炒舞茸菌、水煎羊乳餅(珍味)、水煮牛肉、紅油抄手、状元過橋米線。今日は午後から大澤真幸北田暁大の対談集「歴史の<はじまり>」左右社を読み始める。
猿谷要氏について(昨日の続き)米国社会史研究が専門だつたが所謂「自由と平等を理念とする米国」の方で2003年の米国によるイラク征伐で米国が嫌われる国になろうとしてゐることに懸念表明されてゐたのだから、その後の反テロ、反イスラムの泥沼は猿谷氏にとつては悲しみで失望のうちに他界されたのかしら。「米国的な」自由や平等、民族の混合などが寧ろ「アメリカ的に」カナダであるとか南米で実現してゐることも興味深いところ。

歴史の〈はじまり〉

歴史の〈はじまり〉

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