富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-01-08

一月八日(土)晴。昼まで仕立て仕事してゐたが今朝から咳と目眩ひ、悪寒と発汗の繰り返しひどく昼に山頭火のラーメン食してからC医師の診療所に往き診察受ければ軽い流感との診断。午後、服薬し休息。晩に雑炊食す。新聞で首相動静に昨晩、菅丞相が目黒の居酒屋で宮台教授、とあり何かと思へばビデオニュースドットコムに出演でそれを聴く。神保氏は番組の冒頭「内閣総理大臣を長い時間拘束できないので」と断つてゐるが結局19時からの収録で、収録後に二更まで居酒屋で物語。居酒屋的議論が好きな首相なのだらう。番組でも居酒屋的にはきちんと主張しきちんと反論してをられた。宮台・神保両氏のニュアンスによると今回の出演はむしろ官邸側からのオファーがあつたやう。それでもフツーなら番組側が官邸に出向き談話を拝聴するはずで一国の首相が目黒のスタジオに出向ひて、といふのが何とも、この人らしい。
▼劉健威兄が大和屋の牡丹亭に対する「有人提出一個問題:不識字能唱崑曲嗎?結論是:「一個唱者字音尚且未能正確發聲,又如何能巧妙地唱出「頭(聲母)、腹(韻母)、尾(韻尾)的聲韻之美呢?所以,不宜貼『崑曲』的牌子。貼上『天鵝之歌』什麼的,倒無傷大雅。」といつた批評があるが信報で三日に渡り連載で反論、大和屋弁護。

坂東玉三郎學崑劇,當是戲劇史上佳話:一個日本歌舞伎,紅透半邊天的殿堂人物,忽而跑到中國,以五十三歲之年才開始學中文,跟張繼青老師學崑曲,一字一句的死記死唸死唱,不幾年就登台演出了,由兩折、四折、六折、七折的逐步演《牡丹亭》。
五十三歲,好多人都是坐享收成的日子了,他還到異國去做「小學生」,在記憶力衰退的年齡去學習新語言新劇種,這份精神何其偉大?沒有一份對崑劇的崇敬和熱情,不是對中國文化開放胸襟,是成不了事的,那是一種近乎宗教的情懷。

と、この部分でアタシも異論はない。だが

不識中文就不能唱崑曲,這是音樂外行人的說話,完全不懂音樂本質。
按照此人的邏輯,不懂得意大利文和徳文的人,也就不能唱歌劇。但這是事實嗎?上世紀一些最頂尖的歌唱家,好像Maria Callas、José Carreras都不是意大利人,意大利文不是他們的母語

といふ点につき、確かにマリア=カラスはイタリア人に非ず。だが根本的に、カラスのイタリア語が流暢かどうか、いぜんに彼女が歌い手として一流であることが前提だらう。つまり大和屋の中文が正確かどうか、流暢かどうか、は問題でない。しかし歌劇にをいて、である、歌劇に歌手でない俳優が出て歌ふことで上手いか下手かは指摘して問題なかろう。少なくても高麗屋は役者として「歌へる」ことでミュージカルに出られ好評博したわけで、大和屋に見事な聲韻があるか、といふとアタシはお世辞にも誉められはせず、となるとやはり大和屋の崑劇には難がある、と思ふ。
▼西九龍の文化エリア開発がため鳴り物入りで倫敦より招聘の元バービカンセンター長のGraham Sheffield氏(歌舞伎通)が西九龍の行政総裁(CE)就任し僅か五ヶ月で病気を理由に急きょ辞任。香港政府のCS(唐英年)は一昨日からの休暇取消し西九龍管理局の董事会議開催し対応を協議の由。本当に重職を辞すほどの他人に云ふも憚られる程よつぽどの病ひなのか、西九龍の文化施設開発に関する香港政府の痴呆ぶりに「アタシには付き合ひきれぬわっ!」と三行半なのか。いずれにせよ数週間前に書類放り出し英国に逃走したさうで我が儘なオバサン的。アタシの三月の懸念(バービカンセンターは年間120萬人集め3400萬英磅の収益上げる大成功で「西九」の開発に人選は間違ひないが香港の西九で果たして、たかだか大阪市程度の人口と大陸の田舎漢對手にどうなるかしら)が不幸にも的中してしまつた。
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