富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-10-04

十月四日(月)iPhone寿命1年説。長徳先生ぢゃないが、どうもカメラ部分がとくに気になる。何だか心配で保険に、と(それがアップル社の策略か?)アップルケアなるプログラムに入ることに。iPhoneの保険料HK$520也。アップルに電話すると「この電話でそのまま加入できます」といふ。便利だが「香港で」「香港なら」と相手が言うので「あなた、どこでこの電話受けているの?」と尋ねたらシンガポール……といへば国母(首相の母=李光耀夫人=皇太后か)ご逝去。Citysuperの玩具売り場でトミカの40周年記念モデルありヤマハ……ぢゃなかつたトヨタ2000GTとコロナマークIIハードトップのミニカー購ふ。値段もHK$40だつた。
週刊文春が大阪鶴見の中国人朝市。不法、と週刊文春は怒る。法規国家日本でこれくらいの中国人的勝手は、あった方が活性的では? 法令遵守はまず検察特捜部の是正が先決だらう。この朝市を含み「不穏な隣人」といふグラビア記事で反中ネタ3連発。それだけでは不満収まらず次の記事も中国のアイドル作家・郭啓明の来日で日中間の緊張高まるなか「呑気に」文春の取材に「若い世代は尖閣問題に関心はありません」と「つれない」返事(笑)。文春よりこの作家の方がずつと賢い。文藝春秋はなぜそんな不愉快な隣人が欲しいのかしら。菊池寛のころから何一つ知的成長といふものがない。文春も文春なら読売新聞も稚拙で「内閣支持率下落53% 中国人船長釈放「不適切」7割」と反中なのか反民主党なのか。バカな「やらせ的」世論調査のない中国の方が国内世論がバカな方向に行かないだけ日本よりマトモかも(中国の場合、世論調査なんてやらなくても市民が政府に何をどう思っているか、は明白……)。アタシは読売的な日本と日本人の方が、中国よりずっと怖い。
▼陶傑さんが昨日の蘋果日報連載で(以下、陶傑はけして釣魚=尖閣の中国主権を否定=日本領と主張してゐるわけぢゃないので、念のため)釣魚=尖閣が中国の属す、と中国側の供する歴史証拠に清朝の慈禧太后が諭旨(実際には一張の紙なのだが)で寵臣盛宣懷に諸島を賞賜として与へた、といふものあり。更に時代遡ると秦の始皇帝直筆の竹簡諭旨なるものに東瀛扶桑三島(日本を含む)を徐福に贈与したといふのがあり、この諭旨が本物だとすると、そこから、徐福が数百名の若い男女を引き連れ日本に渡り子孫繁栄し今日の日本につながることが証明されゝば、つまり日本は古来、中国領となつてしまふだらう、と。だが、さういふ歴史遡れば云々が現実に有効でないのは欧州の歴史を見れば、例へば今日の英国はローマ帝政時代にカエザル帝がB.C.44年にブリテン島に派兵し占拠してをり、ならばブリテン島は今日のイタリア領か、と(笑)。さういふ主張をすると最悪の場合、戦争になるわけで、だから
所以用慈禧這條老太婆乾屍挖出來嚇唬日本,恐怕行不通。小不忍則亂大謀,大家不要衝動,想想有什麼辦法。
と陶傑先生は皆さん、もつと智慧をしぼつて何か考えませう、と。全く以て正論。
▼明報が東京の不動産投資会社が進める香港新界でのリゾート分譲地開発で続報。この会社のサイトで具体的な西貢海下(Hoi Ha)のリゾート開発といふ情報が消され漠然とした香港のリゾート投資となつてゐるが新界の区議会議員などが香港政府(環境局や城規會)にこのリゾート開発の問題を質し香港特区政府の東京事務所を通じこのような投資目的の開発が自然破壊に繋がることを日本でアピールすること求め、また香港でも日本総領事館に打診してゐるが回答なし、と。アタシは個人的にはこの不動産開発が具体的なリゾート開発より、それ以前の儲け話ばかりで本当にどこまで具体的に進むのか、と疑ふが、尖閣=釣魚の領土問題より、この日本の投資会社による投資目的の自然破壊といふ問題の方が香港では幅広い人々の琴線に触れるのではないか、と思へてならぬところ。

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