富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

ヒチコック監督「下宿人」腰痛で見逃す

fookpaktsuen2010-09-25

九月廿五日(土)曇。腰痛が治らず昼前に一寸、銀行へ行つたきり在宅。腰の用心のため晩のヒチコック監督の映画「下宿人」上映を見逃す。更なる多少の人民元高を期待し人民元はまだ「買ひ」か、と思ふが、少なくとも切り下げは無いとすれば預金金利が1.1%あるだけでもお得。当然、人民元に資金が流れるわけで銀行でのお取り引きは人民元口座の開設は香港居住者に限り一日のお取り引きはHK$20千までとさせていたヾきます。銀行も香港では人民元は行内の現金も十分で、簡単にいへば国内外貨?だから調達も比較的楽、この程度のお客さまの財テク遊びならおつきあひでき〼といふところか。日本の皆さんも我が国固有の領土としての尖閣諸島に関心をもち中国での反日感情の高まりを憂ふより、人民元だらう、本来持つべき関心の対象は。晩にうどん煮て食す。下巻の最後、モダニズムを読み終へずにゐた藤森先生の「日本の近代建築」読了。建築物読み出したら面白くて安藤忠雄「建築を語る」(東大出版会安藤忠雄直筆署名入り)読み始める。
尖閣諸島=釣魚台へ抗日活動に赴かうとした香港の「保釣二號」は漁船で漁業以外の人員運搬は用途外として香港政府がこの船の開航不准。その間に日本政府は漁船船長釈放で香港の保釣運動は抗議先が日本の総領事館から香港の海事当局へ。この香港の三十年に及ぶ保釣運動につき陶傑氏が述べるに(今朝の蘋果日報

然而中國男人,從沒有展示 Man的機會:平時結結巴巴,唯唯諾諾,在權威面前是是是,陽剛、酷、型,一向與中男無緣。
所謂保釣,為一小撮中國男人提供了一種叫「抗日」的想像。抗日,就像西方人士眼中一千一夜的阿拉伯世界,是一種東方主義的想像,「保釣份子」自我想像為一九四〇年的抗日英雄:松花江上的鐵絲網、河北的炮樓、孤島上海的憲兵部、皮鞭、老虎櫈、燒紅的烙鐵。只能從香港漫畫「財叔」或台灣電影《一寸山河一寸血》裏,想像抗日志士在地下室遭受刑拷,痛苦嘶喊,才重獲男子漢的身份( Manhood)。(略)
所以「保釣抗日」,是一種戲劇的想像,在心理學上,叫 A self-dramatized fantasy。人生沒有想像,就沒有希望,所以性心理學中有一種 SM遊戲,你的性伴侶,為了樂趣,偶爾也戴上面具,動用了黒皮靴和皮鞭。

と。日本側からすれば溜飲下がる感あらうか。だが同じことが日本人にも言へるわけでたかだか東海の小島の主権で漁船船長逮捕して大国中国に対峙する日本の国威など意識してゐるやうぢゃ同窩之狢。
▼中国の主権回復以来、香港で五星紅旗は当初、違和感があつたが官公庁や学校に当然で国民教育とはかういふものか、と自称アナーキストのアタシはぞっとしてゐるが今日の明報に「警署廉署終懸国旗」とあり何事か?と思へば香港政府で警務處(香港警察)、廉政公署(ICAC)、税関、入境事務處、消防處、香港電台(RTHK)、天文台など錚々たる部署、政府庁舎でも美利大厦、修頓中心(湾仔)、九龍政府合署、東区裁判所、工業貿易處庁舎、他に香港体育館、葵青劇院、荃湾大會堂、大埔海浜公園など国旗掲げておらぬ場所があり立法会でも親中土共左派議員から政府の国民教育の不徹底詰られ政府が上述の官公庁舎など百八カ所(百八つは偶然か……笑)に国旗掲揚を実現。香港電台が公共放送としての独立を謳ひ国旗を嫌ひ、天文台は国旗は天体観測に邪魔?、ICACも独立権の維持が大切、は理解できるが警察、消防、税関や入境事務は総じて「制服組」の規律部隊。先づ国家に忠誠誓ひさうだし先づ国旗掲げようと政府も躍起になるはずが、なぜ13年も不明朗にであれ拒んだのかしら。興味深い。

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