富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

久々にHexenschuß

fookpaktsuen2010-09-24

九月廿四日(金)晴。ここ数ヶ月、軽い腰痛で前屈が能はず屈んで靴を穿くのが億劫だつたが昨晩、龍脊から下る際に月見酒、麦酒(500ml)とジャックダニエル少しの酔ひも手伝つてか下りで滑り腰は打たなかつたが身を庇ひ腰をへんに捻り軽いぎつくり腰。湾仔で針治療請ふ。
NHKあさイチに澤潟屋の亀治郎君が出演。アナウンサー(有働)が猿之助を「さるのすけ」と呼ぶ椿事あり。
▼中国内地在住の東君より第一子誕生とメールあり。時節柄「尖閣」か 、東なので「沢毛」にしようかと思った由。
沖縄県石垣市に属する尖閣諸島の我が国海域侵犯の中国漁船船長やうやく釈放。週刊文春はスパイ船だと指摘。それを易々と釈放とは我が国の覇権、国威は何処に。ならば最初から船長拿捕して拘留するべからず。大国米国相手ならへつらひ媚れるのだから是非、対中もそれで。この報復措置で石家荘で日本人四人が軍事管区で不法映像撮影の廉で当局に捕まる。その「人質」は藤田組の社員で石家荘で何をしてゐたか、といへば日本政府が発注する=日本側の負担で旧日本軍が中国に大量に遺棄した化学兵器の処理事業があり、藤田組はこれまでもそれを手がけてをり、今回は石家荘市でもこの設備をつくる計画があつての事前調査の由。日本による中国侵略にまだ/\かうした戦後処理が残ることを我々は日頃、認識もしてをらず。
▼軍事管区に不法接近でアタシがふと思ひ出すのは四半世紀以上前にアタシの一人旅行で吉林省長春からソ連国境の満州里へ向かふ旅の際、長春から、ひとまず満州里行きの直通列車出ている黒龍江省チチハルへ向かふ際にハルビン経由が順当だがハルビンはどうせ復路で立ち寄るので、とふと、長春から夜汽車で吉林省西部の白城なる町に向かふ電車に乗り、そこで一泊してチチハルに北上する鉄路で行かうと長春から白城に向かつたら夜遅く白城に着くと駅がなにか緊張感あり、何か、と思へばご丁寧に公安のジープがアタシをお出迎へ。こんなVIP待遇?と思へば白城はどうやら軍事施設があるらしく外国人立ち入り禁止。アタシはチチハルから満州里への旅行許可はとつてゐたが経路も途中下車なら本来、旅行許可必要。で公安のジープで何処に連れてゐかれるのかしら、と状況わからぬがあまり絶望的心配に至らぬのは公安の警官がどこか緩いからでジープが到着したのは公安関係の賓館。とにかくそこに泊ること、外出禁止、明日、朝イチに迎へに来るので直ぐにチチハル行きの列車で去ること、を指示される。宿泊無料で次の間つきの部屋に通される。賓館からは出るな、といはれたが部屋に軟禁されてゐるわけでもなくロビーに出ると職員の夜勤なのか、引退した職員が敷地内に住まふのか、新聞読んでいた老人に「日本人ですか?」と日本語で話しかけられ(旧「満州」には戦前に日本語教育受けた方が多い)白城が軍施設があることなど教えられる。確かに内蒙古を経てソ連国境も近いのだから。翌朝、賓館の食堂から朝餉のいゝ匂ひがして出てゐくと地場の公安幹部らがお食事中。職員に「あんたに食べさせる料理はここにはない」といふ表情で部屋に追ひ返され、その後、鉄道駅までジープで送つてもらひチチハルに向かふことになる。満州里からの復路ではチチハルに真直ぐ戻るのがつまらないのでハイラルから大興安嶺山脈の方をぐるりと回る鉄道に乗つたが、この路線の沿線も外国人に非開放。ハルビンまで800kmくらゐの車程で途中で列車が乗り換へになるが切符はハイラルから一枚で駅のホームから出もしないので問題ないはず。するとハイラルから乗つた列車で地元の公安の警官が「せつかくだから」と彼の生まれ育つた加格達奇といふ町で一緒に降りようといふ。で加格達奇郊外の彼の家に連れて行つてくれ奥さんや子どもと遊び公安のジープでまた駅まで送つてくれたこともあり。まだ長閑な時代。この日が御巣鷹山JAL機墜落。

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