富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-08-23

陰暦七月十四。盂蘭盆会に処暑が重なる。北角街市で仕入れた新鮮なレバー焼きCh. La tour Carnetの03年を飲む。晩になつて早朝にメールで誤信といふ一つ安易な失敗あつたこと知り眠れさうにないので睡眠誘発剤を服し早寝を決め込む。
▼フィリピンのマニラで元警官によるツアーバス乗つ取りあり。大手「康泰」のツアーに参加した香港からの旅行者八名射殺される。(翌朝の)朝日は被害者を「中国人旅行者」、とこれも、読売の多少細かい「香港からの中国人旅行者」も表現として間違ひでないのだが「中国人旅行者」といふと、どこか香港を席捲し日本もその射程範囲としてゐる大陸からの田舎漢旅行者をば想像してしまふ。この惨事で、だから「フィリピンは危険」とは言ふのは間違ひ。殺戮者の存在は場所を選ばぬ。が今日の事件、誰もが指摘することだが、惨事に至るまでの犯人と警察の交渉で結果論だが犯人に隙がいくらでもあり遠くから射撃といはずとも死角からバスの下に潜り込み乗降口付近に出てきた犯人の足を攫ふだけでも検挙できただらう。警察も数時間後に元警官があそこまで狂ふとは思つてゐなかつたのかしら。よく、ツアーの方が安全といふがツアーはツアーで危険ともなふもの。バスにデカデカと「康泰」とツアー会社名が書かれてゐるハシリはジャルパックなのかグレイハウンド、いやトーマスクックかしら……、事故に遭遇すればいきなり全員なのがツアーのリスクでもあり。根っからの団体旅行嫌ひのアタシはどこでもふら/\漫歩、路線バスばかりだが不思議とありがたいことに危険な目に遭遇したことがない。フィリピンといへば、マニラでもセブでもアタシは専らジープニーで移動、と言つたらフィリピンカラオケ嬢が「危ない、怖い」と。さうかしら。ジープニーでもタクシーでも地下鉄でも凶悪者がをり、それに誰かが狙はれる状況に陥るかどうか、だけのやうな気がする。
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