富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

iPad入手

fookpaktsuen2010-08-15

八月十五日(日)朝、城門水塔で10kmのサマーレースあり荃湾経由で参加。土砂降りのお天気雨。関節や足の指のつけねの痛みぢゃないので痛風ぢゃないんだろうが脚がとにかく重くてだるい。走るのも厭ふやうなだるさ。このまゝいくとアタシは間違ひなく痛風になるだらうが。旺角のジムに寄りストレッチして久々に樂園牛丸王に牛丸河粉食す。営業方針転換ですつかり現代風の店になつて足が向かなくなつたが昔のガサツな店だつた頃の方がずつと上手かつた。朝五時半起きでさすがに眠い。バスで爆睡しつゝ一旦、帰宅。昨日、官邸に届いてゐたiPadを手許に。中環経由で九龍站の圓方の映画館。夏の映画祭で蔡明亮監督の「愛情萬歳!」のデジタル復刻版を見る。もと/\は1994年製作で公開当時アタシが見たのは何処でだつたかしら、湾仔の詩藝か。まぁ李康生の若いこと。都会の孤独といふテーマは難しいのだが90年代の前半の台北で見事に撮つてゐる。わずか15、6年前なのだが台北の都市風景が全く昔に見えるから。アタシは時々この映画が楊絀昌監督の『独立時代』や『麻雀』と混同してしまふ。空き家マンションを舞台に不動産屋の女一人と、その行きずりの彼氏、さらにこのマンションに潜り込んだ納骨セールスを生業とする若者の三人といふ登場人物の場合、普通の演出なら三人を三角関係にしてしまふのだろうが改めて見てみると蔡明亮の凄いところは不動産女・美美(楊貴媚)にとつて、この路上で商ひする男・阿栄(陳昭栄)との関係はあくまで性行為のみで(しかも偶然会つた晩と再会の晩の二回)、この若者と納骨セールス・小康(李康生)の間に奇妙な友人関係が生まれ、その実、小康は阿栄に恋してゐるが阿栄は全く気づかず、何より重要なのはとう/\美美と小康が全く接点がないまゝ終はることだらう。湾仔に出て芸術中心でZ嬢と一緒に映画『シーサイドモーテル』(こちら)見る。守屋健太郎監督。なんでこんな客が暴満か、と思つたら主演の生田斗真のファン大多数。映画終はつてZ嬢が叻沙を食したい、とLandale街の叻沙屋に行くが日曜で休み。皇后大道東の餃子源に行くがここも休み。で克街の靠得住靚粥に食す。帰宅してiPadを立ち上げ。あくまで網上で新聞読むためだけ、に特化。SCMPと日経のは有料でネット閲覧、FTももう紙は買わんでも網上で良い鴨。
▼今日は日本は終戦記念日だが中国は甘粛省舟曲の土石流災害で全国が半旗掲げ娯楽活動など慎む国家的追悼日。その日の人民日報トップ記事にこの災害の支援対策関係者会議で参加者と笑顔の胡錦濤国家主席らの写真掲載される(こちら)。胡主席

大衆の思想・政治工作を掘り下げてしっかりやり遂げ被災地の社会の安定を守らなければならない。

といふ政治局常委での発言にアタシも先日「掘るのは土石流だろう!」と呟板したが水力ダムなど乱開発が見直されるはずもなく千、二千の犠牲者の命も「やはり党政府が引導して国家的災害に対処しなければならない」といふ思想政治工作に献じられるのかしら。国家主席が支援対策会議に全国から鳩まつた代表と謁見、首相が重要講話、とこの形式主義の偉大さよ。それにしても国家主席、首相の笑顔の写真は不適。これがなぜ掲載されるのか。