七月四日(日)猛暑続く。早朝に九龍は石硤尾。晝過ぎまで所用あり。銅鑼湾に出て鮨福助。海松貝を肴に晝酒。夕方の10kmに出場といふ旧知のM氏に邂逅。独酌では言ひ訳もならず。にぎり。旭屋書店でカメラ雑誌受取。整体、擦背。帰宅して煮た野菜多く食す。冷水のシャワー浴びても暑い。先日まで陋宅と同じフロアでどこかの家の冷房爆冷モードで通路の寒風をば「もらひ風」してゐたがアタシのもらひ風に気づきケチで冷房弱めたとは思へぬが、いずれにせよ通路はまた熱くなる。風光明媚だが西向きの部屋なのが難。アサヒカメラ(七月号)が伝へる銀塩ライカM型生産中止。徠卡のCEO氏が「すでにライカカメラ社はフィルムカメラの生産を行っていない」といふ(過去に遡る事実発表はまるで「南京「大」虐殺はなかつた」とか董建華の「八萬五」政策撤回のやうだが)発表ださうで、かりにライカMPの後継機を作つても「事実上の競争相手は中古ライカになってしまい勝算はない」といふ発言はまさに究極。たとへば自動車でトヨタの社長が「今、新しいハイブリット車を作っても競争相手はパプリカ」とはならぬしカメラだつてニコンのデジイチはニコンFと競合しない。だが半世紀以上前のライカM3といふ名機があり、どんな精巧なライカのM型作つても中古のM3が競合してしまふってなんて世界なのかしら。数日前の信報で林行止専欄がウィリアム=ボーモル博士の「コスト病」理念を冨士康の労使問題で!引用してゐたのが興味深かつたが舞台芸術の「芸術と経済のヂレンマ」のそれ(オーケストラの演奏者にも他の産業と同じく賃金が上昇していく必要があるがオーケストラの生産性は交響曲が作曲された当時と変わらず=上昇する性質のものではない)や「囚人のヂレンマ」と同じく、このM型ライカの「ライカMPの後継機を作つても事実上の競争相手は中古ライカになってしまい勝算はない」は「ライカM型のヂレンマ」として我々に認識されるべき究極の命題だらう。
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富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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