富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

天が下の萬づの事には期あり 萬づの事務(わざ)には時あり

fookpaktsuen2010-06-21

陰暦五月初十。夏至。早晩に百年ぶりにジム。近隣の屋上バーで黄昏に麦酒一杯は夏至なのでもう気づいたら七時半。鮭を焼き酒を飲み久々の麦飯。
▼「アンソン陳方安生の良夫」陳棣榮氏逝去で今日、追悼彌撒あり。行政長官文革曾、陳日君枢機卿、政壇元老・鍾士元、李鵬飛、民建聯曾鈺成、公民黨余若薇、民主黨何俊仁、社民連黃毓民に董建華李嘉誠、中信泰富榮智健、政府要職、法曹界代表、親中派から反政府派まで呉越同舟で参列。マーチン李柱銘氏が「凡事都有定期,天下萬務都有定時。生有時、死有時」「人不能強於獸,都是虛空。都歸一處,都是出於塵土,也都歸於塵土」と讀経。この伝道の書(コヘレトの言葉)の言葉は民主党の政府同調あらば脱党も辞さぬとしたマーチン李柱銘本人への自問の如し。この彌撒に集まつた官僚、政界の輩が揉める香港政治改革で北京中央が民主党提出の折衷案評価し香港政府、親中派御用政党も一転して民主党案受け入れを表明(この盲従ぶりの凄さ)、民主党が今度は今晩の党大会で政府同調となることの審議。八割の大多数は支持に回るがマーチン李柱銘は全面的普選実現にこだわる姿勢見せ党が政府同調可決の場合は脱党も辞せず、と。民主党にしてみれば、いつの間にか政府与党と反政府色強烈な改革派に挟まれ今回の改革案で「ものわかりの良さ」見せたが結党時の党代表のマーチン李柱銘、陳日君枢機卿、労組・李卓人、職工・梁耀忠、何少蘭らは反対で、抗癌治療中この審議に参加の司徒華先生は折衷案支持、反政府色露骨な蘋果日報が支持、信報は社説で「支持とは言い切れぬ」微妙な姿勢だが社主・李嘉誠の次男リチャード王子(李澤楷)が自社の「社説に異議あり」と一読者の立場で特稿(寸土先爭.責無旁貸)を寄せ多少なりとも改革の成果あり、と支持を表明(ナベツネ独裁の読売新聞よりずっとマシ)。まさに「天が下の萬づの事には期あり 萬づの事務(わざ)には時あり」(伝道の書第3章第1節)の拮抗した状況。
▼偽物といへば悲しいかな中国でiPhoneから粉ミルク、段ボール紙を飴にした餃子、オリンピック女子体操選手の年齢偽称、フェラーリと何でもありだが、ついに出現は銀行のATM機。北京の街頭にご丁寧にも香港の恒生銀行のATMコーナーが出来て現金おろさうとすると「お取り扱いできません」で現金おろせず実害ないやうだがカードのデータから暗証番号まで盗まれてしまひ気がつくと誰かが本当の口座から現金がおろされてゐるといふ次第。暗証番号入手する手口としては本物のATMコーナーに勝手に監視カメラ取り付けてしまふなど古典的だが偽AMTマシンで本人に入力させてしまふとは……お見事。

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