富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-06-17

六月十七日(木)朝イチで養和病院。昨日脇腹から腕、足にかけ身体左右とも発疹甚しく当初は前晩から使ひ始めた夏用のゴザの寝具に蚤でもゐてやられたか、と思つたが思ひ出せば一昨晩すでに脇腹に発疹あり病院でも当直のT医師が蚤もここまで左右対称に几帳面には刺さないでせう(笑)と。確かに。昨年も五月頃に悩まされた神経性の蕁麻疹。蕁麻疹の薬といふが抗ヒスタミン系の抗鬱薬と睡眠誘発剤を処方される。いら/\せずぐっすり寝て、が治療法とは。バックパッカーになつて旅がしたい。病院で測る血圧は高いといふが135/115にはやはり驚く。血圧の薬を飲んでいて、これだ。本日もまた血圧と神経性の蕁麻疹には悪い出来事あり。なんでこんなことが放置されてゐたのよ、とまた一つ仕事増えた。そんななか郷里の母より小包一つ届く。スヌーピーの絵柄あしらつた帝国ホテルの大きな化粧箱。母から久しく前に帝国ホテルが創業120周年だかで料理長に扮したスヌーピーの縫ひぐるみがホテル内に陳列してあるけど買ふ?と電話あり。もう何十年前かしら新宿の伊勢丹でピーナッツの売り場あり米国製のスヌーピーの縫ひぐるみ、当時で四千円近くした記憶ありを母が買つてくれ爾来そのスヌーピーはずっとアタシの許にゐる。その料理長スヌーピー(こちら)の他にアタシが通販で購ひ実家に届いてゐた商品各種、サーモスの弁当箱と耐熱タンブラー、書籍、酒肴の乾物等等。かなり気持ちが癒える。早晩に中環過ぐると政府庁舎からCharter Gardenにかけかなりの警官配置。晩七時から行政長官文革曾から申し出た公民党党魁余若薇との政治改革巡るテレビ討論あり所謂民主派が公園で集会開催。そのうち社民連や八十後の過激な連中が政府総部襲ふのでは?と馬鹿らしい警戒ぶり。帰宅してテレビで討論眺める。立法会の職能組廃止と直選実施求める弁護士出身で巨人の弁舌巧みな改革派と北京中央の顔色窺ひながら隠定した改革唱へる薬の行商から棚牡丹で特首になつた口舌に悪しき小男のどちらが有利か、といへば前者なのは討論せずとも明らかで討論後の世論調査でも結果は歴然。晩にマグロの中落丼食し服薬して早寝。
▼今日の政治改革討論、文革曾が相手に公民党選んだことで九十年代からの香港の反政府派の雄・民主党は面子丸潰れとも思はれたが民主党は李柱銘と楊森といふ結党以来の二大看板引退のあたりから微妙な路線修正図つてをり先月の立法会補欠選挙にも公民党と社民連に与せず。で政治改革でも立法会選挙では選挙民に現行の地方区に加へ職能組の選挙権も与へ一人二票制の折衷案を提示。これが基本法に反すると指摘してゐた超法規的「香港司法の母」梁愛詩刀自(基本法委員会副主席)が一転して民主党案支持。まるで今日の公民党相手にした行政長官の討論に合はせたかのやうな演出に梁愛詩を敵してきた民主党側も当惑で「数日中に党としてコメント」とたぢ/\。
朝日新聞オピニオン欄「菅流どうですか」で菅直人君についての中曽根さんのコメントがさすが大勲位。菅君は「市民的」保守で(革新に非ず)で自分は国民的保守。国民的だから自分は憲法改正を主張し菅君は市民派だから、それをしない……って何だか納得してしまふがよく/\考へると意味不明。でもさすが中曽根さんだ、大勲位。現在の自民党が「右」旋回を間違ひと断じ菅政権がウイングを右に広げることで「非自民」の中道左派政権となり二大政党制の基礎が固まる、と大勲位はもはや自民党の存亡うんぬんでなく「国民」として日本の政治を大局的に見渡す。鳩山君は大勲位からすると「私も知る」一郎さんの孫で大政翼賛に抗した祖父の志や魂が伝わるか、と期待したが「しょせん良家の子女」、でもこれを糧に「政治家としてはこれからだ」と大勲位宣はれるが三十そこ/\ならまだしも還暦過ぎて首相の座にあつた人に「これから」と言はれてもねぇ。それにしても菅君のやうな市民的保守の政治家を生む土壌をほめる大勲位。中曽根さんにとつては自民党でも民主党でも、とにかく国家安泰が大切。でと戦後日本政治最後の大政治家として未来永劫「さすが中曽根さん」と言はれることの誇り。一瞬、小泉某の勢ひに議員引退までさせられ小泉が最後の大政治家の座を襲ふか?と思はれたが小泉某など首相引退してみればたヾの人で中曽根大勲位との格の差歴然で大勲位は安堵しての長寿とこの大観ぶりなのだらう。

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