富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月廿四日(月)久々に雲一つなき快晴。気温は朝から摂氏27度だが湿度が60数%で窓を開けると心地良い。昨日、バスの冷房にちょっとやられ悪寒で鼻が敏感。早晩に帰宅途中にC医師のクリニックに寄る。血圧がちゃんと処方薬服してゐるが下が90より下がらぬがずっと90で「安定はしてゐる」とアタシが言つたら「あの薬(Diovan 80mg)では下が80くらゐに落ち着いてくれないとダメなんで」とCo-Diovan 80/12.5mgなる薬を勧められる。降圧作用のあるバルサルタンは同量だが、それにヒドロクロロチアジドなる利尿薬が含まれてゐる由。日暮れの青空にかなり久々に月を眺める。鰻の蒲焼を食す。
▼夕食前に「ところてん」食す。駄菓子屋、アタシの幼い頃、家の近くの馴染みの駄菓子屋ではなかつたが友だちに連れて行かれた隣町の駄菓子屋で、10円くらゐだったのかしら店頭で駄菓子屋の婆あが「ところてん」販売。それがバケツの中に浮いてゐる「ところてん」を婆あが洗ひもせぬ素手で掬ひ、硝子器に流し出し、だが器は誰だかが食べ終わつたのをバケツの溜めた水の中で濯ぐだけで子どもながらにそれが汚いと思つが今にして思へば誰も病気にもならず、平和な時代。
▼耳にした時の最初、違和感のある言葉も慣れ、といふものあり。例えば「国体」もさう聞くと万世一系天皇を軸にした「國體」と戦後の国民体育大会の「国体」で「新潟国体」と知つて後者だと判るが、どうも最近、アタシが慣れないのが「米朝」。「直接対話の岐路に立つ米朝」が、どうも米朝師匠が高座で客を前にして口籠る光景想像しちまふ。「米朝」も声に出すとアクセントが「」だと米国と北朝鮮、低い平音だと「桂米朝」とまだ判るのだが。
▼香港で公民党と社民連の五議員が辞職し補欠選挙で「民意を問う」としたが民主党はこれに与せず。行政長官文革曾は公民党の党魁・余若薇を六月のテレビ討論に招いた、と思つたら、今度は民主党の現実的な対応?へのご褒美かしら、中連弁(中央人民政府駐香港特別行政区聯絡辦公室)が民主党首脳を本日招き今後の政治改革について意見交換。民主党にとつては党結成から初の建設的な?対中対話。
▼香港で早朝に鳥が鳴くのが五月蝿く睡眠の邪魔と投訴する市民少なからず。事実、気候の温暖化で鳥が朝、未明に鳴き始め殊に野生化し繁殖した白い鸚鵡(確か南洋原生)の鳴き声はけたゝましい。それでも、と陶傑氏が(蘋果の連載で)指摘するのは西洋人は「中国人の喧噪」回避して「鳥の声が聞きたい」と南Y島や西貢に移住するだらう、「投訴性民主主義」も良いが財閥系治産商の高層ビル建築の杭打ちが續いても経済発展と許容され飲茶で隣席のオヤジらがエロ按摩の評判を吹聴してゐても誰も投訴せぬ。本来、春眠不覚暁処処聞啼鳥と風雅なはずがビルの冷房や自動車などの騒音にはすつかり慣れ鳥の鳴き声は五月蝿いとは、と。御意。

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