富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月十四日(金)曇。午後遅く尖東で一つ用事あり。ご一緒するはずの連中が小一時間遅れると連絡あり星巴珈琲も賑やかすぎて隣の「川福」なる讃岐うどん供する肆が「下午茶」セットはHK$24できつねうどんに飲み物つき。同じ値段では断然、星巴で珈琲一杯よかお得だらう。かつて紐育でも巴里でも大した讃岐うどん供すところが五番街オペラ座近くの一等地にあり「なぜ香港は讃岐うどんがないのかしら」と残念に思つたが炮台山に見事な手打ちの讃岐うどん屋が出来て喜んだが数年で閉業となり昨年あたりから讃岐うどんブームで何軒か開業。讃岐うどんは値段「高すぎ」のラーメン専門店に比べお値段お手頃でカロリーなど心配要らず。晩にチリはMontGrasのReserva Cab Sub 07年だったか飲みトマトのパスタ食す。読みかけで本棚で行方不明となつてゐた新版「バーテンダーズマニュアル」のうち酒類総論、ワイン、麦酒の部分讀む。
▼唯靈先生が数日前の信報で「一盅兩件」と綴る話は一盅兩件といへば広東式飲茶で茶一杯と點心二つ、のミニマムな作法。商場の昇降機のなかで唯靈先生が耳にした若い男女の会話。「何を食べに行く?」と尋ねた男に彼女は「何でもいいけど飲茶で点心だけはダメ」と。飲茶の叉燒包、蝦餃がハンバーガー、咖喱味の魚蛋に取つて代はつた、と毎朝、雨風も気にせず(陸羽茶室だらう)早茶に往く唯靈先生は嘆く。點心の食材が所謂「身体に悪い」高カロリー、肉脂で毛嫌いされるだらうが、それ以上にアタシはあの早茶のぼんやりとした時間が今の携帯、ゲーム機世代には耐へきれない悠久なのだらう、と思へる。

新版 バーテンダーズマニュアル

新版 バーテンダーズマニュアル

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