富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-03-22

三月廿二日(月)北京の黄砂は十年ぶりのひどさで揚子江上流が「死氣一片,河水乾枯、田地荒蕪、野草枯死、顆粒無收」と世紀の大旱魃なら香港はもうそろ/\雨期のはずが雨降らず昨日も大潭のダムの干上がりに驚いたが大気汚染もひどく今日は所謂、光化学スモッグの発生。とにかく市街の粉塵甚だし。中環に所用あり。昼は黄枝記に牛腩麺食す。帰りに太子大厦に寄る。ダンヒル商店がビル内で移転し拡張。店内にバーと食肆もあり。バーに寄つてドライマティーニの一杯でも、と思つたが愉しさうな女給らのいたいけな態に大人のバーにはほど遠き感あり遠慮。晩に自宅にて野菜茹で食す。テレビで007の「二度死ぬ」の放映あり。映画は英国領香港でジェームス=ボンドが殺し屋に殺害されヴィクトリアハーバーに沈まされるところから始まり英国情報部が潜水艦でボンドを助け日本に送り……と、もうテレビでの度重なる放映で十何回或は二十回以上見たか。だがつい見てしまふ。いつもゐろ/\発見あるが、この映画でタイガー(丹波哲郎)配下の忍者たちの大活躍。007シリーズでこれほど007以外が敵をやるけるため活躍する映画があらうか。このタイガー配下の特殊部隊の死も厭はぬ集団としての奮闘ぶりに昭和の「日本」を感じるばかり。
▼相撲の力士でモンゴル出身力士の日本語の上手さにやはりアルタイ語属だからか、と思つてゐたが今場所快調な関脇・把瑠都関も記者の「プレッシャーは?」といふ質問に「プレッシャーはプレッシャー、相撲は相撲と分けて考へます」の一言、まぁ芸能人でも「大麻大麻、仕事は仕事と分けて考へます」なんて

究極の下水からの食用油再利用

言へないことを思へば本当に日本語上手。ちなみにバルト海は勉強してみると位置的に各国が沿岸にあることで把瑠都関の出身であるエストニアではLäänemeri(西海)だが白耳曼語的には独逸語のOstseeが示す通り「東海」でリトアニア、ラトビアの語はラテン語的にこれがバルト海。英語もこのラテン語系でバルト海。一つの海の名前がかうも民族と国家の影響にあるところが興味深い。
▼坑渠油はつまり下水の食用油。中国で使用済みで下水に廃毀された食用油、当然だが水と分離して下水でも浮いてゐるから下水から汲み上げられ地下工場で精製、といつてもたゞ油を煮立たせ不純物、といつても見た目の不純物だけ乗り除かれ、濾しただけで食用油として市場に出回る由。衛生面だけでも大問題だが発癌性、発育障礙や内臓疾患などに影響大。専門の調査委によると年間さうした坑渠油が200〜300屯市場に出回り中国で一年に消費される植物油(2,250万屯)の一割余。つまり都市部での十回に一回の食事でそれに当たる確立、と。カネになれば何でも、の拝金主義も恐ろしいが何よりさうせねば食つていけぬ共産主義社会の大きな矛盾。香港に深層的矛盾なんて指摘してゐる場合ぢやあるまいに。
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