富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

The 34th Mount Butler Race - 15km

fookpaktsuen2010-03-21

陰暦二月初六。春分春分だが夏至か、といふ陽気。香港長跑會の第34回Mount Butler Race開催。昨年は腰痛あり勝手に途中から参加。今年はとにかく最近全然走つてをらず15kmの越山跑参加は無謀。だが参加。黄泥涌道のスタートから陽明山荘に上がる急坂で身体が驚き大潭への下りになつてもダメ。SIr Cesil Rideに入り後塵から少し順位上げるが10km過ぎたあたりで足が重いのと腰に力が入らずかなり苦戦。1h50mくらひかゝつてゐるはず。ひとまづ完走。永利街など舊祉古蹟ブームの影響かこのレースまでMount Butler (Heritage) Raceなんて名前に。慥かにスタート&ゴール地点は日本の香港占領戦の劇戦地、通称「五叉路」だが古蹟はおそらくコースがSir Cesil Ride(セシル総督の乗馬路)通るからかしら。銅鑼湾でジムに寄りサウナに入り文輝墨丸粉食し一旦帰宅。昼過ぎに電影資料館。龍剛の映画特集。1966年の「飛女正傳」を見るのはアタシの永遠のアイドル、蕭芳芳が主演ゆゑ。富裕な家族の令嬢(蕭芳芳)が父の死後、胡散臭い男に騙される母に呆れ非行に走り新界の少女感化院(龍剛が院長役で出演)での物語。こゝに収容される少女たちを通し劣悪な社会環境が少女らを問題に走らせた、と筋だけで見ると真面目過ぎだが脚本が良く出来てをり面白い。ちなみにMurray MacLehose卿の総督就任が1971年でこうした社会環境の整備が香港の最重要課題となる。蕭芳芳の脇をかためる非行少女役の曾江、薛家燕、孟莉らの演技は蕭芳芳より上手。タクシー自動車走らせ中環。市大会堂。香港フィルで「當趙靜遇上蘇柏軒」と指揮がPerry So君でセロは趙靜(Zhao Jing)が招かれ若手指揮者と美貌のチェリストの競演、と。Z嬢と珍しく一列目正面かぶりつきの席になつたのはチケット発売当日朝にすでに一列目中央の席だけポツンと売れてをり、これは「マエストロ爺様に違ひない!」とZ嬢と隣席を確保のゆゑ。マエストロ爺様はとにかく香港の主なクラシックコンサート全てを、それも一列目中央で聴かれる好々爺。いつも涼しげな風貌だがラベルやストラビンスキーなどお好きな様子。だが一列目中央は若い女性でちよつと残念であつたが開演前ぎりぎりでマエストロ爺様は二列目中央のお席に滑り込み。今日のコンサートを定席の香港文化中心と勘違ひされたのかしら?かなり息が乱れてをり心臓発作でも起こしはせぬか。で一曲目はコダーイの「ガランタのダンス」。趙靜が登場しサンサーンスのセロ協奏曲一番。ほんとアタシの目の前でセロ弾かれる。どうも(偏見なのだが)女性のソリストといふとピアノ以外はあまり期待しないのだが(そりや、セロではジャクリーヌ=デュプレがゐたが)趙靜は(プロフィール小沢征爾も可愛がる、こりや大器。サンサーンスのこの協奏曲も良かつたがアンコールはコダーイ無伴奏セロ組曲の(たぶん間違ひないが)第三楽章が秀逸。それをすぐ目の前で弾いてくれたのだから。中入り後は香港フィルだけでブラームスの二番。ペリー君が指揮する好きな曲として筆頭に上げてゐたのがこのブラームスの二番。香港フィルもペリー君に煽られけつこう良い感じではあるが金管と、何よりもクールすぎるバイオリンはどうにかならないかしら、香港フィル。かぶりつきで見てゐると指揮の様子がよくわかるがペリー君もとにかくバイオリンをどうにか盛り上げようとかなり力んでゐた様子あり。だが全く乗つてこないのだ、このバイオリンの奏者たちは。昼間は天気が良かつたが音楽会終はり外に出るとウルトラセブンな曇りの夕方で風強し。13系統の路線バスでミッドレベル。Caine Rdには永利街の写真撮影&見学の若者ら、うぢや/\。京香餃に餃子食す。15kmも山を走り蕭芳芳の映画を見てペリー君の指揮見物のつもりが趙靜のセロに圧倒され京香餃の餃子も秀逸でかなり満足な一日。

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