富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Ashkenazy x3

fookpaktsuen2010-03-12

三月十二日(金)相変はらず寒い日。早晩から送別会などあり二つのお座敷にちよつと顔を出してから晩に尖沙咀。Z嬢と文化中心で香港ショパン協会主催でアシュケナージ先生のピアノ演奏。香港で指揮者とコンクールの審査員などでは「香港に居住?」と思ふほどお馴染みだがアタシもアシュケナージのピアノを生で聴くのは初めて。今回はAshkenazy x3と題するのはアシュケ先生が二人の息子、次男ディミトリのクラリネットとの合奏、そして長男ヴォフカとのピアノ合奏ゆゑ。シューマンの「三つのロマンス」(作品94)をオーボエクラリネットにして、から始まりルトスワフスキのピアノとクラリネットのための五つの舞蹈前奏曲プーランククラリネットとピアノのためのソナタ(FP.18)。いづれも初聴。中入り後が長男とのピアノ合奏でシューベルトの嬉遊曲ト短調(D181/Op.54)。ラヴェルのLa valseも連弾では聴いたことあつたが「二台のピアノ」のためのオリジナルは圧巻。アンコールは三人で曲名知らぬが何か舞台の物語風の洒脱な曲をご披露。アシュケナージのピアノ、本当に中庸。技術的な凄さをけして全面に出さず、さらり、としかも合奏で面白可笑しく。
▼経済学の奇才、張五常教授の所蔵絵画絡みの盗難事件。訴へられた骨董店元職員の女性が絵画は盗み出したのではなく2003年に米国税務当局から張五常が脱税等で訴へられ指名手配となつた際に教授が中国内地に逃亡を企て、その際に五常教授から経営する骨董商の組織図や銀行資料、賃貸契約などの重要書類を預かるやう指示され、それを受諾の際に「お礼」として贈られた絵画、と反論。原告(張五常)が内地に隠遁のまゝで自分だけが香港で開審の不公平を指摘。御意。
▼昨日O君に聞いた当世パチンコ事情。大のパチンコ好きのO君は三年前香港赴任の際に日本で中古のパチンコ台を一台購入し香港に持参したほど。で今回、引つ越しで来た日系の運送業者の兄さんがやはりパチンコ好きで、と話が盛り上がつたさうだが日本のパチンコ台の多くが今では中国製。業界大手のS社の台もすべて広東省の東莞で制作され、その運送会社が運んでゐる由。O君と、よく日本でパチンコ台に何か仕掛けして悪質に「大当たり」する被害などあり「中国系暴力団の仕業」なんて問題となるが、もし中国での台の製造からさうした仕掛けがされてしまつたりしたら……なんて想像。

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