富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十八日(水)摂氏十度の朝。倫敦と東京が十二度でそれより寒いつていつたい……。十一月のこの寒さは一九八七年以来の由。更に今日の気温は香港開闢以来、十一月十八日で最も気温低き日ださうな。晩に銅鑼湾の香港スタジアムで蹴球の日本対香港のテストマッチ?だかあり。競馬もありLeighton Rdあたりは燈刻かなりの人出。それを眺めつゝご執務遅くまで。
▼米国総統馬楽小浜君の先日の訪日。東都にて宮中参殿。出迎へた陛下に小浜君、平身低頭その鞠躬ぶりに米国では米国総統たるもの属国でのその諂ひぶりに批難少なからず、とAP電。頭を下げることに慣れてをらぬやうでアタシは長身の小浜君が陛下見下ろすやうな不遜な態度を失礼と思つたか頭を下げたが、まだ己のはうが見下げてゐて、さらに、さらにで鞠躬の、さういふ結果に微笑ましく思へる。宮中で小浜君が両陛下と三人でどんな会話をされたのかしら。その小浜君、今度は北京での晩餐会で「人民大會堂驚艷 迷倒奧巴馬 美女服務員思想要紅口要密」と、こちらはどうにも……。胡錦濤国家主席に背を向け不細工な女給の時には目もくれず、と。これをみて陶傑氏が蘋果日報で何を書かうか。

貴為美國總統,奧巴馬在國宴上嘴巴微張,眼睛呆瞪女服務員的一幕,引起熱議。 路透社

▼ネットカフェでも本人確認義務化、警視庁・有識者懇が提言。座長の前田雅英(首都大学東京法科大学院教授)は「犯罪が多発する事態を考へると、本人確認をした方が国民の理解を得られる」と宣はれる。国民の理解といつた漠然とした判断基準より本来、その行為が憲法(思想信条の自由や基本的人権)に觝触するかどうか、が判断基準だと思ふが。不安煽つておいて規制、ぢや困るのだが。
http://www.asahi.com/national/update/1118/TKY200911180171.html
▼信報で劉健威兄が連載随筆で「蝙蝠人」なる題の一文あり。商業映画、しかも米国映画の「バットマン」なんて劉兄らしくなひタイトルに何事か、と思へば、或る雑誌の編輯長にあなたはいつたい何が本職なのか、と聞かれた時に劉兄がふと思つたのは「自分は寺山修司でありたい」と。詩人であり美術家、演出家で劇団の座長、映画監督、ボクシングや競馬評……自分はそこまで広くなれず何一つ専門にできないが、と。他にジョン=ケージと白南準を挙げる劉兄。「蝙蝠」といふのは、動物でもなく鳥でもなく、洞窟の暗いところに潜み夜行性で、とさういふことかしら。

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