富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-11-07

陰暦九月廿一日。立冬。養和病院。薬が効いたやうで膀胱のあの激痛も退き幸ひ小用に苦もなし。泌尿器系のCTスキャンの結果も問題なし。ひとまづ安堵、で昼に近くの鮨澄。独酌で昼酒。にぎり。二合目がちよつと残つたな、と持て余したら最後に烏賊の塩辛が軍艦で供される。まつたく憎いことをされる。湾仔。藝術中心で台湾の光華新聞文化中心の主催で「台湾月」の映画上映あり「爸……你好嗎?」見る。台湾のさまざまなタイプの父を題材に十本のオムニバス映画。今ひとつ、で酒の酔ひもありうと/\してたが途中でデジタル像源の不良あり何度も放映中断し結局、途中で上映中止の不始末。ディスク像源の使用は映画上映では絶対に避けるべき。今回は光華中心の自主企劃で藝術中心は免責、しかも無料のため「金返せ〜」といふ客もなし。時間持て余し、ふらつと向かひのグランドハイアットホテルに渡る。香港のグランドハイアットといへばJJ、であつたがディスコ業界の栄枯盛衰凄まじく(つてもう流行再来もなからうが)JJもいつの間にか閉ぢられタイ料理とラウンジバーが其処に。土曜日の遅い午後なのにバーは未だ開いてをらず(さういへば先週末は中文大学のハイアットでも同じ体験)。ホテルの前の公園で新聞読み。また藝術中心に戻り映画「九降風」見る。去年だかの香港映画祭で見てゐる青春映画。永華麺家に雲呑麺食しMTRで葵芳。Z嬢と待ち合はせ葵青劇院にて沈偉舞蹈藝術(Shen Wei Dance Arts)の舞蹈公演を見る。かぶりつき一列目中央。開演前にこの舞蹈団主宰する沈偉君がロビーで華やかに知己の客と戯れるを見て「いやな感ぢ」。沈偉は中国の湖南省で歌劇よくする家に生まれ若い頃から湖南省歌劇院で活躍したが現代舞踊で1991年に中国で初の現代舞蹈団となるthe Guangdong Modern Dance Companyの創設メンバーで1995年に米国に留学し紐育でこの舞蹈団主宰し一躍注目の的。東洋的なもの、それは川久保玲、無印、坂本龍一カンボジアの密林、京都の古寺の庭……ゐろ/\ありますがさうした「東洋的なもの」の身体表現で、そりや紐育でウケるでせう、あと数年は。しかも踊り手に亜細亜系を置かぬ、その演出も。カンボジアアンコールワットの寺を覆ふタランチュラのやうな、樹木の根も白塗りで表現するが「上環でHollywood Rdにもあるからねぇ、あれが」とZ嬢。御意。

早野透氏(朝日新聞)の指摘。雑誌『世界』十一月号より。
今回の民主党国家戦略局とか行政刷新会議をつくるというのは、自分たちの支持組織を含めて、利害団体と距離を置いて、いわば上から政策決定をして、各官庁、組合、それぞれの組織との利害調整をしていこうというプランだと思うんです。だから、明らかにこれまでの自民党政治のような、下からの要望をくみ上げて、調整して、分配していくという政治ではない。政治システムをトップダウンに変えようとしている。国家戦略局行政刷新会議がどう機能するか、ここが大事なポイントになっていくんでしょうね。
自民党一党支配からの脱却、政権交替、と喜んでもをれまひ。

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