富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-11-08

十一月八日(日)HKDRC主催のハーフマラソン開催日。これを昨年秋からの多忙と腰痛でのランニング中止からの復帰第一戦と考へてゐたが今ひとつ走り込みも出来ぬまゝ、昨日が病院の再検査ではとても二時間も走つて泌尿器系にあの二日の晩の呻吟叫痛を思ひ返せば負担かけられず本日のハーフマラソンは不参加。珍しく朝八時まで不貞寝。昼過ぎZ嬢と北角。Z嬢お気に入りの精點茶餐廳に昼を食す。慥かに美味。その上に格別の服務の態度は敬ふに値す。渡船で九龍城碼頭。85系統だかの九龍巴士で土瓜湾から九龍城ぐる/\回り九龍塘から獅子山隧道抜け大圍から沙田をぐる/\抜けて一時間かけ火炭。火炭は文字通り今のMTR、かつてのKCR=九龍広東鉄道が蒸気機関車だつた時代の火炭の集積場所で今でも車輛整備工場あり。站の附近には軽工業団地であるビル多くアタシも沙田競馬場への入場除けば十数年ぶり。火炭へ来たのは殺風景な、日曜で更に死んだやうな工業ビルの一つで「A的故事」なる展示会あり。香港の戦後の典型的なプラスチック製品に星光實業の「紅A」なる銘柄あり。当時はチープなMade in HKの代名詞だらうが今となつては貴重な戦後の香港産業のコレクション、でこれに注目せし若者、佐敦で生花店営むKなる青年が時間惜しまず紅A貨を探し求め、その蒐集の成果がづらり、と並ぶ。会場は中環に廛補をもつOutofstockなる中古家具商の倉庫。そこを借りきれいにディスプレイしての展示。MTRで西湾河。電影資料館でゴダール監督の「カルメンといふ名の女」見る。巨匠の後期の作品、といふのは基本的に苦手。これも「お勉強のため」と見せていたゞいたが1983年にヴェネチア国際映画祭で金獅子賞ださうだが「巨匠、歌劇カルメンを題材にエロスと不条理を一つ」てな感じで作つてみました、な作品と思へてならず。蛇王福に往き蛇羹、蛇汁鶏飯、臘腸糯米飯を食す。帰宅してアタシが扶桑社のを読むのは珍しいが「en-taxi」なる福田和也氏責任編輯の雑誌を読む(夏号)。活字が小さくなか/\読み進まず。老眼には辛いところ、は若者向け思想誌なのかしら。
▼今日はお出かけの往来で山口瞳『禁酒 禁煙』読む(中公文庫)。山口瞳に限らないが週刊誌の連載随筆といふのは週刊誌で週一回、それを時々読むから面白いので、それが一冊の本になつてしまふと、山口瞳の場合とくに「くどさ」がアタシは苦手。週刊誌の随筆の連載といへば週刊文春小林信彦氏の連載はアタシにとつて週刊文春の中の清涼剤のやうなものだが(この方の主張、感想だけはぜつたいに共感できる、と)今週号のインフルエンザに関する文章、ありやどうしたのかしら。たゞたゞインフルエンザに怯えるばかり。あれぢや随筆の体を成さず。
▼SCMP紙の日曜別冊で今秋の凱旋門賞冠軍、Sea The Stars馬の特集記事あり。馬主(Christopher Tsui)が香港の御曹司ゆゑ。G1を六連勝で「はい、お疲れさま〜」で引退、といふ芸風もアタシ好みでないし馬主が何の苦労もなき二十代の御曹司つてのも愉快ぢやない。

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富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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禁酒禁煙 (中公文庫)

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enーtaxi v.26 (ODAIBA MOOK)

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