富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-11-06

十一月六日(金)こゝ数年、毎年、インフルエンザの予防接種を受ける中環のクリニック。豪州人の優しいお医者さんで、本当に問診が主の、何も医療器具のない典型的なクリニック。今日、昼前に予防接種の折、待合室で壁の医者の免許状など見たら、医師免許取得がアタシの生まれた年。注射のあとシャツを直しながら、それを医師に告げると立ち上がり「富柏村さん、あたしは老医者だ」と含羞みながら握手される。壁の1967年のハノイでの診療所許可書が何とも。豪州人の若医者が北越は河内に何れの物語あり哉。晩に拾つたタクシ自動車。最近、ダッシュボードに携帯数台並べ車手配の運転手も珍しからぬがアタシの経験で最高の六台操作の運転手に遭遇。圧巻、と笑つてをれぬのは客からの電話鳴りつ放しで馴染みの客なら番号も登録あるが知らぬ客だと電話番号と寓祉をばメモして数台の携帯を駆使してネットワークのタクシー運転手に配車手配、で客に折り返しの電話。よく運転しながらの配車業務と驚きから感心へ。だが危険。客は香港島内でも「西湾河から置富」だの「中環から香港仔」だの、海を潜れば「筲箕灣から沙田」だのとロングの客ばかり、は明らかに規定料金から割引の反則営業。だが値段交渉なし、はおそらく「香港内は一律HK$80」だの「海底隧道潜れば九龍はHK$100、新界ならHK$140」と固定運賃制度。せめて無線でも使つてくれれば、と思ふが無線ぢや当局だの商売仲間に筒抜け、で携帯か。携帯六台駆使しようと慥かにハンドフリー通話で交通違反にならず。利尿剤と抗生物質の服薬で火曜より三日、酒を抜き今日は流感の予防接種でまた酒を断つ。晩遅く馬生師匠の三十年ほど前の「親子酒」見る。枕で師匠が酒を「あたくしもまぁ嫌ひなはうぢやございませんから」とくすぐれば客が小さな声で笑つて返す。馬生は寄席によく出る人でアタシも他の「人気落語家」に比べ本当によく話を聞かせてもらつたもの。
▼豬流感人傳豬香港首見。香港で初のヒトから豚への豚インフルエンザ感染、つてもう何が何だか。
▼香港旅遊発展局の田北俊君曰く上海鼠楽園開業で香港鼠は年間百六十万人の内地客は広東省からの八十万人除くことで半減、と指摘。四百五十万人と発表される年間入場者だが優待チケットなどあり実質的には日に一万人がいゝところ。それが少なくても二割減で一日の入場者が一万人下回るのは必死。廃園すべき。

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