十一月五日(木)くらうど、れゔぃすとらうす先生逝去。享年百歳大壽。アタシの世代には文化人類学でClaude Lévi-Straussの『構造人類学』と『野生の思考』は必読図書。難解は難解でもアルチュセールなんかよりずつと小説的に読めただけ助かつたが「野生の思考」の発想とり自分のはいてゐるLevi'sのジーンズが野生の思考と関係があつたことの方にずつと驚き、何より読んでから暫く、この学者がまだ存命であつたことすら知らず(当時でまだ八旬くらゐだつたのだが)。アタシはこの人とり歴史人類学的にはフーコーの思想の方にずつと近づき、芸風的にはロラン=バルトが好み。朝日で「日本で文化人類学といへばすつかり」の青木保先生がフーコーやバルトが現代文明に枠の中に収まつてゐたのに対し「レビストロースさんだけは文明を突き抜け、自然の中の人類といふ枠組みで思想を展開してきた」と述べてゐるがアタシはレヴィさんこそ1950年代に当時の思想界にあつて精確にマーケティングの出来た学者だつた、と思ふ。「自然の中の人類」なんて位置取りが出来ることぢたひ現代文明的なわけで、「電通」的に戦後の思想はコヽ、といふピンポイントなところに着地してフィールドワークして未来に向けた=こつちの方向ですよ、と行けたところがこの学者の凄いところ。それを襲ふと例へば新井満の小説のやうな、今の坂本龍一の狙ひどころは『野生の思考』の意図的に盛り上がりに欠けるところかしら。
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