富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-11-01

陰暦九月十五。快晴。出來れば済ませたい仕事いくつか頭を過るが精神的に気分轉換が要る。Z孃と十時半に中環を出る船で長州島。もう十一月とは思へぬ猛暑。船尾のデッキでぼんやり海を眺めてゐると巨大な空母が碇泊中。米国旗。横浜を母港とするジョージ=ワシントン艦。遠目に眺めるがやはりでかい。周辺に巡洋艦つてんですかね、も数隻。いつだつたかキティ=ホークの來港が中止となつての今回の空母來港。石破君とか軍ちやんには垂涎ものかしら。長州島はZ孃が、アタシらが元旦恆例の10Kで走る、島の南半分、觀音灣から南氹灣、山頂を越え墳場、火葬場から美經援村、で西灣に出て西灣路の舊道拔けて戾る、步くと二時間以上のコース。10Kのレースの時よりも海沿の小道など拔けてアタシも初めてで面白い。南北2.5kmほどの小さな島ながら様々な相を呈す。モロッコといふ名のインド料理屋で遅めの昼食。マイルドな味付けで期待より美味。午後遅くのフェリーで中環に戻る。北角街市。帰宅したがまた

太古城に買ひ物。アピタ商店が一割引きでかなり混雜のなかジン(ゴードン)、ウオツカ(スミノフ)各一本。電気剃刀も十数年ぶりに買ひ替へ。夜になつても遅い昼餉に腹が減らぬ。十五夜の月を愛でる。
▼政治といふのは麻薬のやうなもの。香港大学の学生自治会(当然、従来、左翼色が強い)の会長だつた陳一諤。天安門事件二十周年で「当時の学生リーダーは逃亡した」だの「虐殺はなかつた」だの勇気ある親中共的な発言で香港大学開校以來初の不信任動議が通り罷免されたが「親中派」とレッテル貼られ今度は性懲りもなく公民党の梁家傑議員事務所で実習の由。とにかく右派だらうが左派だらうが自分が政治に関はりたい、とその意慾あればぜひ松下政経塾への入塾お勧め。
▼歌舞伎座は本日、忠臣蔵初日。昼の部は天王寺屋が高師直、芝居通に云はせるとこの方の師直は綺堂の新歌舞伎風だといふ。けふびこの役の難しさ。二代目の大延若や先代鴈治郎。久が原のT君は昨秋の浅草での通しの橋之助をほめる。七段目は松島屋さんの由良之助、さすがに大松島讓りで「自分の財布で祇園に遊んでゐるやう」なのが、播磨屋だと「気前は良いんだが正統な手続きを踏んで社内経費で落としてる感じ」、高麗屋だと観光バーでカード払い、成田屋だとあとから夫人が代金を持つて來さう、と笑ふ。七段目でいへば「平右衞門が良い役者は七ツ目の由良助も良い」が彼の持論、なるほど納得。播磨屋の由良。孝夫の平衞。お玉のお軽、か。
▼玉川スミ師匠が昨日、芸能生活八十五周年の紀念興行(浅草演芸ホール)。昨年の夏だつたかしら、演芸ホールで相変わらずお元気な姿を拜見。

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