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十一月二日（月）昨晩から疾風が香港を襲ひ今日は肌寒し。晩に帰宅してドライマティーニ飲み机上の雑事片付け熱燗に「おでん」。昨日からのNHKスペシャル「永田町 権力の攻防」眺めてゐたが、実は先週から残尿感といふか小用の前後にかぎらず膀胱あたりに痛みあり、花柳病か？（笑）、どうせ老化現象の一つだらう、病院に行かう、行かうと思つてそのまゝにしてゐたが本夕から痛み激しくなり「永田町」の途中で小渕首相が自自公聯立からの自由党離脱を明らかにして脳卒中で倒れるあたりでアタシも我慢しきれぬ痛みとなり小一時間ぢつと少し痛みが治まるのを待ちタクシ自動車で養和病院。賭王何鴻燊（スタンレー＝ホー）氏が入院中で八掛雑誌などの記者が入り口で寝ずの番はご苦労様。宿直のＣ医師の診断受ける。肛門に指診プレイで前立腺肥大は無し、で膀胱炎かなぁ、と。深夜の検尿で小一時間待つと（こんな時間でもラボもスタッフが夜勤か）Ｃ医師に血尿は見られないが尿の赤血球が異常に多い、と数値見せられる。一立方ミリに普通なら10（アトでネットで調べると単位は万らしい）以下なのが202だといふ。痛みはだいぶ退いてゐるので数値は激痛のアト、もつとも高い数値だつたのだらう。ひとまづ炎症抑へる抗生物質と利尿薬（アトで調べると精確には尿路鎮痛薬）供され数日様子を見ませう、とＣ医師。診断は膀胱炎。過労とストレス、といふことで。半夜三更、病院の正門を出ると記者たち。思はず「アンタら、こゝでじつと待つてはるけど、さつき裏口からご遺体載せたリムジンが出ていつたで」なんて言つたらどうなるのかしら？と思ふ。
▼今朝の蘋果日報一面トップに「拔萃校友報師恩 給好校長一個家」と拔萃男学院が創立百四十周年で美談一つ。香港の拔萃男学院（ディセッションボーイズスクール）は日本でいへば灘、開成レベルのエリート校で教会が母体といふのではラサールか。1960〜80年代に校長だつた郭慎墀（ James Lowcock）先生は香港生まれの英国人。若い頃はガールフレンドも少なからず、だつたが教育に熱意をもつて従事するなかで結婚することも忘れ（淀川先生だね、こりや）、校長になつてからは甥つ子と校内の校長住宅に住んでゐたが、遠方から通つてゐたり貧困世帯の学生は自分の校長住宅に寄宿させ、さうした生徒が常時、三、四人ゐて、貧しい学生には運動鞜や参考書、受験費用など自費で賄つてやり恩恵受けた学生かなりの数に。その校長が80年代に肝臓患ひ50代半ばで引退余儀なくされたが無私の精神で学生の面倒をみた結果、老後の蓄へすらなし。で各界で活躍する卒業生らが校長先生に、と資金を出し合ひ清水灣に住宅を購入し老先生をそこに住まはせる恩誼。校長の当時は悪さした学生の尻を鞭打ちが強烈だつたさうな。それも先生の愛情、と卒業生ら。八旬となる老先生の面倒を見るのは三十年先生に付き添ふ教へ子で、この貧困家庭に育つた学生も校長住宅に寄宿したが、そのまゝずつと先生の面倒見ることになり今は同校の体育主任。結婚し子どもも生まれたが老先生を父のやうに慕ひ家族で仲良く老先生と暮らす由。「二十世紀だつたから」の最後の美談か。
▼みづほ銀行のネットバンキング。PCのHD毀れた際にバックアップ上手くいかずネットバンキング開始時の「お客様番号」と「第二暗証番号」見当つかず。銀行に問ひ合はせるとネット上や電話でのお問ひ合はせには応じかねます、再登録の申請書をご登録住所にお送りしますので、と。で実家に申請書届くが銀行印すら不明。で母が銀行に出向いたが、いぜんなら家族で、で良かつたのが何を説明しても銀行員は笑顔で「ご本人様に来ていたゞいて」の一点張りで拉致あかず。海外に居住五年だかで住民票すら抹消され運転免許証も年金、健康保険も何もなく今後も本人照会にかなり難あり、いつそのこと楽天とかのネット銀行にしようか、とも思つたがイーバンクも「外国に居住の方は口座開設出来ません」で住所などは実家で対応しやうにも国内の就労証明など必要。もうだめか、と諦めてゐたら、みづほ銀行のネットバンキングの「ご利用カード」なるもの見つけ「お客様番号」も「第二暗証番号」も明記されてをり万事休す。でもセキュリティーに厳しいやうでカードにお客様番号と第二暗証番号が明記されてゐる、つてどうかしら（笑）。どこか脇が甘くないか。ところでその番号使つてログインしたらPCも新しくなつてゐたので本人確認で「最初に買つた車は？」と「中学校で一番印象に残つてゐる先生の名前は？」と尋ねられ慥かに登録の際に答へた記憶あるが「スバル」か「すばる」か「スバル三六〇」か「スバル360」か記憶もなく何度も間違ふと、それだけで「口座保全のため」ガードかゝりさう。中学の先生の名前もひらがなか漢字か苗字だけかフルネームか。どうにかこの難問二つ答へて無事、ネットバンキングにつながつた次第。いやはや。
▼香港行政長官文革曾、重陽節の頃に姿晦ましたあと仕事に復帰したが低調。本日やうやく香港総商会など主催の会合でスピーチ。省エネ蛍光灯や親族へのリーマン損失補填など質され「正当な批判は真摯に聞く」などと宣ひ「おかげさまで夜もよく眠れる」と。この小役人、真面目だか器用さに欠け横柄なところあり。それが嫌はれ文革曾の信奉する天主教会の神父様も「もつと意見の異なる市民の意見も聞くべき」と指摘は尤も。

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