富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-29

十月廿九日(木)なんだかあらゆることに呆れ嘆き怒つてゐるうちに一日が終はつた感あり。アタシみたいな人間は荷風散人よろしくさつさと世間との絶縁し新聞も読まず誰彼との付き合ひも出来るかぎり避け隠遁すべきなの鴨。久が原のT君もニュースはさつとネットで流す程度で新聞すら読まない、とおつしやつてゐたのも合点。帰宅して自分勝手なドライマティーニ二杯。本当に立派なバーデンターに誂へてもらつた時を除けば自分で、が一番美味い。晩にトマト汁と挽肉のパスタ、赤葡萄酒一杯の夕餉をとらうと思へば、ふと点けたテレビでNHKのおバカ番組NW9が始まるところで、考へてもみれば、なんで田口某のあんな不愉快でレベルの低いコメントを気分害すの承知でアタシが見てゐるのだらう、と、他に日本語チャンネルの選択がない所為でもあるが、どうであれNHK放送史上最低最悪の田口某の尊顔拝む馬鹿/\しさに思はずテレビを消す。
▼今朝の蘋果日報に「吞六合彩獎金判坐監」と宝籤で友人に購入請はれたのが当たつちまつたが「当たつてない」と嘘をつき三等賞の50万円だか呑んぢまつたと話ぢたひは「ありがち」な与太話はどうでもいいが「呑む」といふのをアタシは幼い頃から「他人の利益で勝手に酒でも飲んでしまふ」ことと明らかに勘違ひ。これがその掛け金なり配当を「呑む」といふ事だと知つたのはだいぶ大人になつてから。だが漢語でも「呑六合彩獎金」と用ゐるとは今朝まで知らず。「呑む」は辞書引けば「丸呑み」。酒を呑むは酒呑童子もあるが、まさに「酒を呑む」はごくり、と舌で遊びもせずに飲み込むやうなもの、つてことか。だが、これは麦酒ならごく/\でも喉を流してゆくやうなもので、やはり日本酒をごくりと一口飲み込むやうな、それが「酒を呑む」なのだらう。
▼取引先の銀行より一通の書状届き“Go green with eStatement”と何かと思へば一月から紙資源浪費節約で樹木を守り地球環境云々でアタシら顧客が毎月の書状でのステートメント送付を止めれば(ネットやメールでの確認とすれば)毎月五百本の樹木伐採が止められます、と。思はず嗤ふ。紙資源の浪費止めれば樹木が救はれるのは慥か。だが銀行が毎月のステートメントの印刷、送付を止めるのは単純に銀行の経費削減。具体的にアタシ一人が書状での通知を止めるころで毎月HK$2を自然保護団体に寄付します、とか具体的に銀行が植樹計画を実施します、なら賛同するが、自分の銀行のコスト削減=利益確保を自然保護と嘯く、その性根が許せまじ。銀行に電話して「今日、これ/\かういふ書状を受け取つたが今後とも書状で受け取りたいが」と求む。ちなみに書状には今後も書状で受け取れる、といふ選択は記載されてをらず。銀行もちやんと顧客のうちネットバンキングなど利用してゐる顧客にだけ、この一筆状送りつけたのだらう。電話の對手は「では今後とも郵送で。他に何か?」と尋ねるので、上述の通り、コスト削減=利益確保なら、それはさう顧客にはつきり云へばいゝわけで、それを自然保護と嘯くことの卑怯をば諭す。本当に経費削減で自然保護に何らかの形で協力する姿勢を見せれば、いつでも郵送停止に応じますよ、と。
▼まづは引用から。
我が国の歴史や伝統•文化、美しい四季折々の自然に『おほらかな自信』を持ち、築き上げた先人たちに率直な経緯を感じるからこそ、それらをつくり継承してきた個人の理性ある自由と努力の可能性を信じる。私たちは、それらを礎に『夢』をつくつてまゐる所存であります。
……と。なんだか美辞麗句だが具体的にかける、民主党の鳩山四世の「友愛」だか何だかに勝るとも劣らぬ、この漠然とした言葉、言葉。鳩山四世の所信表明を「具体像は全く見えてこない」と嗤つた自民党の谷垣君の代表質問がこれ。朝日(今朝の国際版、政治面で)「言葉失つた自民」高橋純子記者、より。

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