富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-26

陰暦九月九日。重陽節。快晴にて暑からず掃墓、行山に好き日。香港仔にて午後まで野良仕事。午後遅く銅鑼湾に往き十合百貨店の東京メガネ。二年半ほど前に近視の眼鏡でかなり手許が曇るやうになり同店にて近視の度数弱めしレンズで眼鏡をば誂へ当時の支配人氏に「これからも老眼進みますから、これは保つて二年くらゐ」と言はれたが仰る通りで手許は更に霞み近視も若干強まり遠くも見えず。で本日検眼し同じフレームのまゝ遠近両用レンズで誂へ直すことに。これは外歩き用で一年ほど前に拵へた中近両用との併用となる。検眼からレンズでの眼球の位置から幅までの測定まで緻密に45分ほどかけていたゞく。眼力落ちて終ゐには馬琴のやうにまさかZ嬢に口述筆記で日剰綴つてもらふのかしら。散髪。髪を切つてきると加藤和彦の歌声が流れてくる。坂崎さんとの「和幸」がこれなのださうな。初めて聴く。鰂魚涌のEast Endでエール二杯。帰宅してお好み焼き。
▼香港の河合ピアノ特約商の宣伝広告。一つ一つ挙げつらえミスマッチを指摘する必要もなからう。たゞ/\この和室にピアノ、のシュールさを楽しむべし。
▼“Dead cert”と題してカナダのテロ法についてThe Economist誌十月廿四日号(こちら)。米国の覇権に対する最大の抑止力はカナダである、と改めて思はされる。米国が国是の通り米国諸州をば統一しThe United States of Americaになれぬのはキューバチャペス大統領の存在などあるが、最大の抑止力は何といつてもカナダ。カナダの良心。
▼首相鳩山四世の所信表明演説。「友愛」など漠然とした抽象的な表現に今更驚きもせぬが「支え合うという日本の伝統」とか、かういふ美徳を「日本らしさ」とすることにアタシはぞつとする。「助け合ひ」など日本でもボヌワヌでもパプアニューギニアでも、たとへ米国とて美徳は一緒だらう。それを安易に「日本の伝統」なんて言ふところが浅ましい。

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