富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月二十四日(土)晴。裏山を一時間半ほど走る。昼に自宅でラーメン茹でジンリッキー二杯飲む。午後は在宅決め込み机に凭り文書整理。文藝春秋(十一月号)が面白くいち/\読んでゐたら漸く晩に寝る間際に読了。スーパーでチリの葡萄酒BotalcuranのCab Sauv(06年)が並品だがHK$30で煮物用に、と購つたが飲んでみるとそれなりに十分。ラベルに香港の輸入商の名が印字されてをり売れ残りの処分か販売権切れての放出かしら。さすがに心地よく午睡。晩は地鶏の水炊き。豪州はTurkeys FlatのButchers Block White飲む。NHK土曜ドラマ「チャレンジド」の第三回を眺める。主人公の全盲の教師のキャラを金八先生以上に敢へて周囲が好き嫌ひがはつきりとするやうな設定にしたのは制作側が意図的なのだらうがアタシは「中学時代に「走れメロス」に感銘を受け、友情の大切さと頑張ることのすばらしさを伝へるべく」教師になつた、なんて、その熱中先生のキャラがとても苦手。「チャレンジド」といふタイトルもカナ書きもこゝまで不明なら“Challenged”で良いのでは。
文藝春秋十一月号。面白い。自民党下野で自民党より早く、さすが菊池寛の文春は政権交代を上手く吸収咀嚼した感あり。「自民党はぶつ壊れない」と与謝野、石破、鳩山弟の鼎談で俄然、石破君の冴えぶりが光るが三人とも自民党の危機的情況への憂慮は口にするが三人の誰も一言も「自民党はぶつ壊れない」なんて言及してをらず「自民党はぶつ壊れない」のタイトルは文春の編輯者側の願望か(嗤)。赤坂太郎の連載(今月は「鳩山•一郎」政権の危ふい均衡)も自民=与党のマンネリ時代よかずつと興味深い内容。自民党の小泉三世から社民党福島党首までの悪筆(石川九楊「現代政治家「文字」に品格を問ふ)でも福島党首の丸文字は歴史的絶品。あれぢや社民党も救はれない。楽天日本シリーズ進出を今日逃したが野村監督の「最後のボヤキ」(神田憲行)も面白く読む。福田和也の「昭和天皇」も連載五十三回目で二二六事件の骨頂。文春の体質が好き嫌ひは別として、これだけの内容で750円。

▼省エネ蛍光灯醜聞の行政長官•文革曾、昨日より四連休で突然の離港。醜聞の熱り冷ますには短く施政方針演説後の不人気に北京も憂慮あり赴京で中央政府の指導仰いてゐるのでは、と専らの噂なり。そこに醜聞続きで今度は実弟のリーマン系投資損失をば被害被つた市民に優先しての補填厚遇があつたと報じられる始末。典型的小市民が権力握つた際の阿扁的傲慢か。魯迅の阿Q正伝捩り「阿扁正伝」なんて小説寓話も面白い鴨。

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