富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-18

陰暦九月朔日。まだ猛暑。日なた歩くと強烈な日射しが肌を灼く。朝から晩まで荃湾で出かけ仕事。ずつと出先仕事で汗もかいたので終はつて荃湾の公営蹴球場の更衣室でシャワー浴びる。香港は各地の公営の運動場などシャワー室も完備してゐるが運動着でもないのにシャワー浴びてゐるとホームレスさんの如し。山西刀削麺に食す。地下鉄で中環。市大会堂。Z嬢と香港ショパン協会主催の秋の音楽会の千秋楽。ギターのAlvaro Pierri氏は数年前もこの演奏会に来られて好評博しての再来。とにかくお見事。ギターの、弦を弾くやうな、アタシなどちよつと苦手な音がとにかく柔らかい。スカルラッティソナタ、イザック=アルベニーズなる19世紀末の作曲家のエスパーニャなる組曲、Dusan Bogdanovic(1955〜)のJazz Sonatinaなる曲までピエーリさんのギターソロが続き中入り。後半がなか/\始まらぬのでどうしたのかしら?と思つてゐたら主催者のアンドリューさんが「申し訳ないがパスカル(ロジェ)の眼鏡が壊れてしまひ応急措置中」と。で後半はピエーリさんとロジェさんの競演から始まるはずがピエールさんがソロの演目(Miguel Llobetの“Variations of a theme from F. Sorlbet”)を一つ先にやつて、それから眼鏡の修理済ませたロジェさんが出てきてCarlo Domeniconi(1947〜)なる作曲家の“Divertimento”なる曲の世界初演。この二人の芸風に見事に合ふ。最後は(この一連の演奏会のフィナーレになるが)ピエールさんとロジェさんにLCOのメンバーが加はりエヒトール=ヴィラロボス(1887〜1959)のファンタジアコンチェルタンテなる曲(今晩の編成のために編曲)を披露。素敵な演奏会となつた。
▼新聞のあまりに安易で陳腐な表現。加藤和彦「激動の人生」も驚いたが
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)=中川仁樹】片側4車線の高速道路の終点は丁字路だった。トヨタの高級車レクサスが暴走し4人が亡くなった死亡事故。敬虔なクリスチャン一家をおそった、恐怖と絶望の数キロメートルをたどった。
と。三流週刊誌ならまだしも朝日新聞。敬虔といへばクリスチャン。亡くなつた家族が熱心なゾロアスター教徒だつた場合とか、あるいは創価学会の信者とか、いち/\敬虔とつけるかしら。「熱心な創価学会の信者」と表現すると「差し障りがある」なんて判断でクリスチャンなら(宗派も宗旨も知らぬが)敬虔で良いのかしら。なぜクリスチャンだけは他者がその敬虔を勝手に尊んでみせるのかしら。あまりに陳腐な見出し。だいたいにしてかふいふリードはサンディエゴでこの記者が書くはずもなく整理部とかで安易に用意されてしまふのか。

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